休職の診断書のもらい方|心療内科で相談する流れと会社への伝え方
- stayfitclinic
- 2025年12月16日
- 読了時間: 9分
「もう仕事に行くのがつらい」「休職したいけれど、診断書はどこでもらえるのだろう」
休職を考えるほど体調が悪いとき、最初に迷うのが診断書のもらい方です。
この記事では、休職の診断書について、どの診療科で相談すればよいのか、受診時に何を伝えればよいのか、会社へどう提出すればよいのかを、心療内科医・産業医の立場から整理します。
※診断書は、診察の結果、医師が医学的に必要と判断した場合に発行される文書です。
受診すれば必ず発行されるものではありません。
現在の症状や仕事への影響を、できるだけ具体的に医師へ伝えることが大切です。
休職の診断書はどこでもらえる?
休職の診断書は、症状の内容に応じて医療機関で相談します。
メンタル不調が中心の場合は、心療内科・精神科・メンタルクリニックで相談することが一般的です。
たとえば、次のような状態が続いている場合です。
・朝になると強い不安や吐き気が出る
・仕事のことを考えると涙が出る
・眠れない、途中で何度も目が覚める
・食欲が落ちている
・集中力が続かず、ミスが増えている
・出勤しようとすると動悸や息苦しさが出る
・「消えてしまいたい」と感じることがある
一方で、発熱、強い腹痛、貧血、甲状腺疾患など身体疾患が疑われる場合は、内科での評価が必要なこともあります。
「心の問題か、体の問題かわからない」という場合でも、まずは現在困っている症状を整理して相談して構いません。
休職の診断書をもらうまでの流れ
休職の診断書は、一般的に次の流れで相談します。
1. 医療機関を予約する
心療内科や精神科は、初診予約が必要なことが多いです。予約時には、次のように伝えるとスムーズです。
「仕事のストレスで体調不良が続いており、休職も含めて相談したいです」
この時点で「診断書だけください」と伝えるより、体調と仕事への支障を相談したいという形で予約する方が、診察の目的が明確になります。
2. 診察で症状と仕事への影響を伝える
初診では、医師が現在の症状、経過、生活状況、仕事内容、職場環境などを確認します。
受診前に、次の項目をメモしておくと診察で伝えやすくなります。
・いつからつらくなったか
・どのような症状があるか
・出勤や業務にどの程度支障が出ているか
・睡眠、食欲、体重の変化
・遅刻、欠勤、早退の有無
・原因として思い当たる職場の出来事
・休職以外に、残業制限や業務調整で対応できそうか
診断書は「つらい」という気持ちだけでなく、医学的に就労継続が難しい状態かどうかを確認した上で判断されます。
3. 医師が休養や就業上の配慮の必要性を判断する
診察の結果、休養が必要と判断されれば、休職の診断書が発行されることがあります。
一方で、必ずしも休職だけが選択肢ではありません。症状や職場環境によっては、次のような内容の診断書が検討されることもあります。
・残業制限
・業務量の調整
・在宅勤務や時差出勤の配慮
・配置転換の検討
・一定期間の自宅療養
休職が必要か、環境調整で続けられるかは、症状の程度と職場側で可能な対応によって変わります。
4. 診断書を受け取り、会社へ提出する
診断書には、一般的に病名、症状の概要、必要な配慮や療養期間、医師名、医療機関名などが記載されます。
会社への提出先は、直属の上司、人事、総務など会社によって異なります。就業規則や社内手続きに沿って提出しましょう。
診断書には何が書かれる?
休職の診断書には、一般的に次のような内容が書かれます。
・診断名
・現在の症状
・自宅療養や就業上の配慮が必要であること
・療養期間の目安
・発行日
・医師名、医療機関名
診断書は、会社に対して「医学的に休養や配慮が必要である」と伝えるための文書です。
通常、上司とのトラブルの詳細、薬の名前、家庭事情など、必要以上に個人的な情報を書くものではありません。記載内容に不安がある場合は、発行前に主治医へ確認しましょう。
休職の診断書はすぐにもらえる?
「今日どうしても会社に出せる診断書がほしい」と焦って受診される方もいます。
診断書がその日に発行されるかどうかは、症状の内容、診察で確認できる情報、医療機関の方針によって異なります。
診察の結果、休養の必要性が明確であれば初診時に発行されることもありますが、追加の確認や経過観察が必要になる場合もあります。
大切なのは、診断書を早くもらうことだけを目的にするのではなく、今の状態を正確に評価してもらうことです。
「いつから休めばよいか」「会社に何と伝えればよいか」「傷病手当金の手続きはどうなるか」も含めて相談すると、その後の流れが整理しやすくなります。
会社への伝え方
診断書をもらった後、会社へどう伝えるかも大きな不安になりやすいところです。
まずは、長く説明しすぎなくて大丈夫です。
体調不良が続いており、医療機関を受診したところ、一定期間の休養が必要との診断を受けました。診断書を提出したいのですが、提出先と手続きについて教えてください。
メールでも電話でも構いません。体調が悪く、直接話すのが難しい場合は、メールで伝えても問題ありません。
ポイントは、次の3つです。
・体調不良で受診したこと
・医師から休養や配慮が必要と判断されたこと
・診断書を提出したいこと
詳しい症状や職場での出来事を、すべて上司へ説明する必要はありません。必要に応じて、人事や産業医との面談で整理していきます。
休職期間はどのくらいになる?
メンタル不調による休職では、初回の診断書は1か月程度で作成されることが多くあります。
ただし、これは一律ではありません。症状の重さ、発症からの期間、職場環境、睡眠や食事の状態、通勤の可否などによって判断されます。
休職後は、通院しながら状態を確認し、必要に応じて診断書を更新します。1か月で復職準備に進む方もいれば、2〜3か月以上の療養が必要になる方もいます。
休職期間の詳しい考え方は、以下の記事でも解説しています。
診断書を出すデメリットはある?
診断書を会社に出すことに、不安を感じる方は少なくありません。
考えられる注意点としては、次のようなものがあります。
・会社に診断名や休養の必要性が伝わる
・休職期間中の給与や手当の確認が必要になる
・復職時に産業医面談や復職判定が必要になることがある
・保険加入やローン審査などで、治療歴の告知が必要になる場合がある
一方で、診断書を出さずに欠勤を続けると、会社側が状況を把握できず、勤怠上のトラブルになることがあります。
診断書は、会社に正式に状態を伝え、休養や配慮を受けるための手段でもあります。不安がある場合は、診断書の内容や会社への伝え方を主治医に相談しましょう。
傷病手当金も確認しておきましょう
休職中に給与が支払われない場合、健康保険の傷病手当金を申請できる可能性があります。
傷病手当金は、業務外の病気やけがで働けない状態が続き、給与が支払われない場合に、生活を支えるための制度です。申請には、本人記入欄、会社記入欄、医師が記入する療養担当者記入欄などが必要です。
休職の診断書と、傷病手当金の申請書は別の書類です。休職の診断書を会社へ提出しただけでは、傷病手当金の申請が完了するわけではありません。
手続きについては、加入している健康保険組合や会社の人事・総務にも確認しましょう。
休職だけでなく、環境調整の診断書という選択肢もあります
「今すぐ完全に休むべきか迷っている」という方もいます。
その場合、休職の診断書だけでなく、就業上の配慮を求める診断書が検討されることもあります。
たとえば、次のような内容です。
・一定期間の残業制限
・業務量の調整
・対人負荷の高い業務の一時的な制限
・時差出勤や在宅勤務の検討
・産業医面談の実施
もちろん、配慮で対応できる状態か、休養が必要な状態かは診察で判断します。無理に働き続けるための診断書ではなく、悪化を防ぎ、回復につなげるための選択肢として考えることが大切です。
よくある質問
Q. 休職の診断書は何科でもらえますか?
A. メンタル不調が中心であれば、心療内科・精神科・メンタルクリニックで相談することが一般的です。身体症状が中心の場合は、内科などでの評価が必要なこともあります。
Q. 診断書は初診でも出ますか?
A. 診察の結果、医師が医学的に必要と判断した場合は、初診で発行されることもあります。ただし、必ず発行されるものではありません。
Q. 会社に病名を知られたくありません。
A. 診断書には病名が記載されることが一般的ですが、記載内容は医師と相談できます。会社側にも個人情報の適切な管理が求められます。
Q. 診断書だけもらいに行ってもいいですか?
A. 診断書は診察の結果として発行される文書です。「診断書だけ」を目的にするのではなく、現在の症状や仕事への支障を相談するつもりで受診してください。
Q. 休職の診断書と傷病手当金の書類は同じですか?
A. 別の書類です。休職の診断書は会社に休養の必要性を伝える文書で、傷病手当金の申請書は健康保険へ給付を申請するための書類です。
Q. 休職せずに残業制限だけお願いすることはできますか?
A. 症状や職場環境によっては、残業制限や業務調整などの就業上の配慮を求める診断書が検討されることがあります。診察で状態を確認した上で判断します。
まとめ
・休職の診断書は、心療内科・精神科・メンタルクリニックなどで相談できます
・診断書は、診察の結果、医師が必要と判断した場合に発行されます
・初診時は、症状だけでなく、仕事への支障を具体的に伝えることが大切です
・会社へは、診断書の提出先と休職手続きを確認しましょう
・休職中の収入面では、傷病手当金の申請も確認しておきましょう
・休職だけでなく、環境調整の診断書が選択肢になる場合もあります
Stay Fit Clinicで相談できること
Stay Fit Clinicでは、仕事によるメンタル不調、不眠、適応障害、うつ状態などについて、心療内科医・産業医の視点から診療しています。
当院では、症状だけでなく、仕事内容、職場環境、会社への伝え方、休職後の過ごし方、復職に向けた流れまで一緒に整理します。
「休職した方がよいのか」「診断書を会社にどう出せばよいのか」「傷病手当金は申請できるのか」と迷っている方は、まずは現在の状態を相談してください。
Stay Fit Clinic 院長 薮野淳也
心療内科医・産業医・社会医学系専門医
著書『産業医が教える 会社の休み方』(中公新書ラクレ、2024年)
