休職中に海外旅行、行ってもいいの?―産業医が考える「正しい休み方」とは―
- stayfitclinic
- 2 日前
- 読了時間: 3分
こんにちは、Stay Fit Clinic院長の薮野淳也です。
最近、「休職中に海外旅行に行ってもいいですか?」という質問を、患者さんや社員の方から受けることがあります。
今回はこのテーマを通して、「休職の本来の意味」や「正しい休み方」についてお話ししたいと思います。

結論:「休職中の海外旅行は避けるべき」
まず結論からお伝えすると、休職中に海外旅行に行くのはおすすめできません。
なぜなら、休職は「職場に戻ることを目的とした、心身の回復期間」だからです。
本来、休職中は以下のような目的で過ごすべき時間です。
生活リズムを整える
睡眠・食事・運動などの基本習慣を取り戻す
再び働くための心と体のエネルギーを充電する
一方、海外旅行には以下のようなリスクがあります。
長時間の移動による疲労
現地での生活リズムの乱れ(時差や食事)
環境変化による心身への負荷
主治医や産業医との連絡が取りづらくなる
「せっかく休んでるんだから、気晴らしに旅行でも…」と思う気持ちは分かります。
しかし、それが“リフレッシュ”ではなく、“逃避”や“現実離れ”になってしまうと、復職が遠のく原因にもなりかねません。
実際にあったトラブル事例
企業の人事部から、こんな相談を受けたことがあります。
「メンタル不調で休職している社員が、SNSで海外旅行の写真をアップしていて困っている…」
本人は「気分転換になると思って」と言っていましたが、周囲から見ると、「本当に体調不良なのか?」という疑念につながり、復職時の信頼関係にも影響してしまいました。
「休職=休暇」ではない
ここがとても大事なポイントです。
休職は、単なる長期休暇ではありません。
会社が「あなたが元気になって戻ってくること」を前提に、ポジションを空けて待っていてくれる制度です。
そのため、「どんな過ごし方をすれば回復につながるか?」という視点がとても重要になります。
産業医としてのおすすめ:「日常の中で、回復をめざす」
産業医としておすすめしたい過ごし方は、以下のようなものです。
朝決まった時間に起きて、太陽を浴びる
食事をとり、軽い運動をする(ウォーキングやストレッチなど)
カフェで本を読んだり、図書館で過ごすなど、少しだけ外の空気に触れる
調子が良ければ、復職支援のプログラムやカウンセリング、リワークに参加してみる
こうした“日常”の積み重ねこそが、「職場に戻る準備」になります。
一方で、海外旅行は“非日常”すぎて、回復の妨げになることもあるのです。
上記の理由から私はStay Fit Clinicの患者さんには海外旅行はしないようにお伝えしています。
まとめ:迷ったら、主治医や産業医に相談を
もし「海外旅行に行ってもいいのかな?」と悩んだときは、
必ず主治医や会社の産業医に相談してください。
あなたの体調や回復の段階を把握している医師なら、適切なアドバイスをしてくれるはずです。
「会社を休む」ことに不安を感じているあなたへ
産業医として、私はこれまで数多くの「休職」「復職」の現場に立ち会ってきました。
どんなふうに過ごせばいいのか、周囲にどう説明すればいいのか、
そして復職に向けて、どんな準備をすればよいのか――
そんな疑問にお答えするために、
著書『産業医が教える会社の休み方』(中公新書ラクレ)を執筆しました。
「正しい休み方」を知ることは、「無理をしすぎない働き方」につながります。
よろしければ、ぜひ手に取ってみてください。
Stay Fit Clinic
院長 薮野淳也
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