産業医面談で何を話せばいい?——産業医が解説する“正しい向き合い方”
- stayfitclinic

- 11月11日
- 読了時間: 4分
「産業医面談があるけど、何を話せばいいのかわからない」
「本音を言うと不利になるのでは…?」
そんな不安を感じている方は多いのではないでしょうか。
この記事では、現役産業医が実際の現場経験に基づいて、
面談の目的・流れ・話すべきこと・注意点を具体的にお伝えします。

1. 産業医面談とは何をする場なのか?
産業医面談は、社員の健康状態やストレス状況を確認し、
安心して働ける環境を整えるための“支援面談”です。
実施される主なケースは次の通りです。
長時間労働が続いた場合(いわゆる過重労働面談)
体調不良が報告された場合(メンタル・フィジカル問わず)
休職・復職の可否を判断する必要がある場合
上司・人事から健康面が懸念された場合
つまり、社員を守るために行われる面談であり、「叱責」「評価」「査定」の場ではありません。
2. 面談の一般的な流れ
産業医面談は次のような流れで進みます。
会社から面談の案内が届く
面談の目的(例:過重労働・メンタル不調など)が共有される
産業医との個別面談(15〜30分程度)
産業医が会社へ意見書を提出(勤務配慮・受診勧奨など)
この「意見書」は、本人の体調を守るための医学的アドバイスであり、人事評価や査定に使われることはありません。
また、病名などの詳細は本人の同意なしに会社へ伝えられることはありません。
3. 産業医面談で何を話せばいいのか
「何を話せばいいかわからない」という不安は、多くの方に共通しています。
産業医としておすすめするのは、以下の4点を整理しておくことです👇
① 最近の体調の変化
(眠れない・集中できない・食欲がない・疲れが抜けないなど)
② 仕事の中で困っていること
(業務量・人間関係・通勤・リモート環境など)
③ 医療機関を受診している場合、その状況
(診断名・薬の内容・医師のコメントなど)
④ 今後どう働きたいか
(できる限り続けたい/しばらく休みたい/環境を変えたい など) 🔸ポイント:
「働きたいけど体が追いつかない」など、
“現状+希望”をセットで伝えると、具体的な調整案が出やすくなります。
4. 話してはいけないことはある?
「本音を言うと不利になるのでは?」と心配する方もいますが、
産業医面談は懲戒の場ではありません。
むしろ、情報を隠すことで誤った判断をされるリスクがあります。
ただし、家庭の事情など、業務に直接関係のないことは無理に話さなくて構いません。
伝えるべきは「仕事に影響する部分」と「体調の状態」です。
5. 面談後にどうなるのか
産業医の意見をもとに、会社は以下のような調整を検討します。
勤務時間の短縮や残業制限
業務内容の一時的な変更
医療機関受診の勧奨
休職または復職判断
産業医の意見は「助言」であり、「命令」ではありません。
しかし、会社の判断を裏づける重要な医学的根拠になります。
6. 面談をうまく活かすためのコツ
産業医面談を有意義な時間にするためには、次の3つを意識しましょう。
① 自分の状態を正直に伝える
無理に「大丈夫」と言う必要はありません。
② 医師の診断書やメモを持参する
客観的な資料があると、より的確なアドバイスがもらえます。
③ 相談の目的を明確にする
「今の仕事を続けたい」「一時的に調整したい」など、希望を伝えましょう。
7. 産業医から見た“よくある誤解”
「産業医=会社側の人」と誤解されることがありますが、
産業医は社員と会社の両方を健康面から支える立場です。
目的は「社員の健康を守ること」。
体調や働き方に不安がある時こそ、早めに相談してください。
8. 職場で理解が得られないときは
「産業医面談を受けても何も変わらなかった」
「上司が配慮してくれない」
そんなときは、医療機関での相談をおすすめします。
Stay Fit Clinicでは、
企業産業医としての知見をもとに、
診断書・意見書の作成、休職・復職支援まで包括的に行っています。
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困った時はビジネスパーソンの背景を考慮してくれる医療機関への早めの受診をお勧めします。
健康的に働いていくためにも産業医面談を活用していきましょう。




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