会社が体調に配慮してくれないときの対処法|産業医・心療内科医が教える「相談・診断書・休職」ステップ
- stayfitclinic
- 11月5日
- 読了時間: 4分
「体調が悪いのに、会社が全く理解してくれない」
そんな悩みを抱えていませんか?
「上司に体調のことを伝えたのに、まったく配慮がない」
「多少の配慮はあるけれど、自分が求めていたものとはズレている」
こうした声を、私は産業医として日々多く耳にします。
特に**適応障害やうつ状態など“見えにくい不調”**の場合、職場の理解不足やコミュニケーションのすれ違いが原因で、必要な配慮が得られないことも少なくありません。
本記事では、産業医・心療内科医として多くの企業を支援してきた立場から、
「会社が体調に配慮してくれないときにどう動くべきか」を3つのステップで解説します。

結論:3つのステップで考える
1️⃣ 上司や人事など、相談ルートを広げる
2️⃣ 医療機関を受診し、診断書で客観的に伝える
3️⃣ 環境が整わない場合は、休職・転職も視野に入れる
① 上司や人事など、相談ルートを広げる
直属の上司に相談しても状況が変わらない場合は、上司の上司・人事・産業医への相談を検討しましょう。
「直属の上司にしか言ってはいけない」というルールはありません。
実際、産業医面談でも「上司には話しづらくて…」という理由で人事部門経由で来られる方は多いです。
ポイントは、「何を改善すれば体調を維持できるか」を明確にして伝えること。
例:
通勤ラッシュを避けたい(時差出勤)
一時的に業務量を減らしたい
勤務時間の短縮を希望したい
感情的な訴えではなく、具体的な環境調整案として話すと、企業側も動きやすくなります。
② 医療機関で診断書をもらい、客観的に伝える
「つらい」と自分で訴えるだけでは、会社は対応しにくいことがあります。
その場合、心療内科やメンタルクリニックを受診し、診断書を通じて医学的に伝えることが有効です。
診断書は「休職」だけでなく、業務上の配慮を求める根拠としても使えます。
例:
「当面の間、短時間勤務が望ましい」
「ストレスの強い業務を一時的に控える必要がある」
これは「お願い」ではなく、医学的意見書として扱われるため、
会社も正式な対応を取りやすくなります。
それでも改善が見られない場合は、一時的に休職して体調を整えることも選択肢です。
🔸補足:配慮は「一時的な措置」であることが多く、回復後に元の業務へ戻ることを前提に進めるケースが一般的です。
③ どうしても合わない場合は、転職も前向きな選択
「これ以上ここでは働けないかも」と思ったとき、それは“逃げ”ではなく、自分を守る選択です。
職場環境が整っていない中で無理を続けると、体調の悪化や再発につながることもあります。
「転職を視野に入れた瞬間、気持ちが軽くなった」という方も少なくありません。
ただし、体調が安定していない時期の転職は避け、主治医や専門家にタイミングを相談してから進めましょう。
「配慮してくれない」=悪意ではないケースもある
企業側の対応が冷たく感じても、実際には「どう対応していいかわからない」場合もあります。
企業には業務や人員配置などの制約があり、すべての希望をすぐに実現できるとは限りません。
このような時こそ、
「自分は何を一番優先したいか」「どこまで譲れるか」
を整理して伝えることが、良い解決策につながります。
産業医をしていて伝えたいこと
体調不良に対して会社の理解が得られないとき、自分を責める必要はありません。
あなたの不調は努力不足ではなく、会社にとっての健康課題です。
企業には社員を安全に働かせる「安全配慮義務」があります。
もし今、
職場に理解されず困っている
配慮を求めたいが言い出せない
適応障害や不眠などの症状が出ている
という状況であれば、早めに産業医や医療機関へ相談してください。
Stay Fit Clinicは、働く人の“現場”に寄り添います
Stay Fit Clinicでは、企業産業医としての経験を活かし、以下のようなサポートを行っています:
診断書・意見書の発行(業務調整・休職・復職支援)
ストレス・不眠・適応障害の治療とセルフケア支援
フィットネス(CrossFit Aoyama)と連携した運動療法
「体調が悪いけれど会社が理解してくれない」
——そんな時こそ、早めに専門家のサポートを受けましょう。
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Stay Fit Clinic 院長 薮野淳也
