「6月病」とは?症状・原因・梅雨の不調との見分け方を心療内科医が解説
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- 16 時間前
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こんにちは。Stay Fit Clinic 院長の薮野淳也です。
最近、テレビやウェブメディアで「6月病」という言葉を目にする機会が増えました。
診察室でも「これって6月病ですか?」と相談に来られる方が、目に見えて増えています。
6月になると、外来や産業医面談で、こんな相談が一気に増えるのも事実です。
・朝、出勤しようとすると急に動けなくなる
・眠れない日が続き、頭が回らない
・梅雨に入ってから、気分が落ち込んだまま戻らない
・食欲がいつもと違う
5月病は以前からよく知られていましたが、最近は5月を乗り越えた人が6月にしんどさを訴えるパターンが増えており、それに新しい名前がつき始めています。
本記事では、「6月病とは何か」「梅雨の不調と適応障害の見分け方」「受診のタイミング」を、心療内科医として整理します。

「6月病」は医学的にあるのか
最初に重要なポイントをお伝えします。
「6月病」は医学的な診断名ではありません。
DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)にも、ICD-11(国際疾病分類)にも、「6月病」という疾患は存在しません。
ただし、6月に体調を崩す働く人が増えるのは、現場の医師として明確に感じる事実です。
医学的診断名ではないものの、「6月病」という言葉は、6月に出やすい複数の不調をまとめた俗称として広まりつつあると考えられます。
6月に体調を崩しやすい3つの理由
なぜ6月に不調が出やすいのか。
心療内科医として、3つの典型的な背景に整理できます。
理由1:4-5月の蓄積疲労が表に出る
4月の新年度・5月のGW明け、それぞれを乗り切ろうと頑張ってきた身体が、6月に入ってようやく症状として表に出てくるケースが多くあります。
GW明け直後(5月中旬)に出やすいのは急な気分の落ち込みや不眠ですが、6月のしんどさはそれとは少し違います。
「5月はなんとか走り続けたけれど、6月に入って急にスタミナが切れた」
こうした蓄積疲労からくる不調が、6月病と呼ばれる症状の多くを占めています。
理由2:梅雨入りで自律神経が乱れる
6月は梅雨入りの時期です。
気温・湿度・気圧の変動が大きいこの時期、自律神経のバランスが崩れやすくなります。
雨が降ると気圧が下がり、内耳のセンサーが「交感神経優位」か「副交感神経優位」かを判断する場面が一日に何度も発生します。これがうまく切り替わらないと、頭痛・倦怠感・気分の落ち込みとして表に出てきます。
特に、もともと自律神経が乱れがちな方(睡眠不足・運動不足・ストレス過多)は、梅雨の影響を強く受けます。
理由3:新入社員・新環境者の「思っていたのと違う」
入社2-3か月目、異動・転職から2-3か月目は、4月の高揚感が落ち着き、現実とのギャップが見えてくる時期です。
・思っていた仕事と違った
・上司との相性が合わない
・同期との差を感じてきた
こうした「ギャップ疲労」が、6月になって体調不良として現れ始めます。
産業医面談で新入社員の方が一気に増えるのは、6月後半から7月にかけてです。
「6月病」の主な症状
「6月病」と呼ばれる状態には、以下のような症状が含まれます。
精神面
・気分の落ち込み
・やる気の低下
・不安感、焦燥感
・集中力の低下
・興味・喜びの喪失
身体面
・朝起きるのがつらい
・不眠(入眠困難・中途覚醒・早朝覚醒)
・食欲のムラ、または食欲低下
・頭痛、めまい
・倦怠感、疲労感
・動悸、息苦しさ
行動面
・遅刻・欠勤が増える
・通勤途中で動けなくなる
・ミスが増える
・人と会いたくなくなる
複数の症状が重なって出てくる場合は、単なる「気のせい」ではなく、医学的なサポートが必要な状態である可能性が高くなります。
梅雨のしんどさと「適応障害」の見分け方
「梅雨でしんどいだけなのか」「医療相談が必要な状態なのか」を見分けるポイントを、心療内科医として整理します。
「梅雨のしんどさ」レベル(経過観察OK)
・雨の日・曇りの日は気分が落ちるが、晴れた日は元気
・仕事には行けている。集中力は落ちているが業務は回る
・食事は普通にとれる
・週末しっかり寝れば、月曜の朝は動ける
「医療相談タイミング」のサイン
以下が2つ以上、2週間以上続いている場合、医療相談を検討してください。
・気分の落ち込みが2週間以上、ほぼ毎日続く
・朝、起きるのが極端につらい日がある
・食欲の波が激しい、または食欲が極端に落ちている
・不眠(入眠困難・中途覚醒・早朝覚醒)が続く
・通勤途中で動悸・吐き気・涙が出る
・休日も完全には回復せず、日曜の夜から憂鬱が強まる
・「消えてしまいたい」「楽になりたい」と感じる
これらが該当する場合、適応障害やうつ病性障害の可能性があります。
DSM-5の診断基準でも、抑うつ症状が2週間以上続くことが診断のひとつの基準です。
詳細は別記事「「会社に行きたくない」が2週間続いたら|受診のサインと、産業医・心療内科の使い分け」もあわせてご確認ください。
6月に「会社に行けない」と感じたら
朝、出勤しようとして体が動かない。
このような経験をすると、自分を責める方が多いのですが、それは身体からのSOSサインです。
その日は無理に行かなくていい
気合いで一日乗り切れたとしても、翌日にもっと深い不調が出ます。
「動けない朝」は、身体が休息を求めているサインだと受け止めてください。
自分一人で判断しない
休職するか、休まないかの判断を、不調の渦中にいる本人がするのは、本来とても難しいことです。
主治医や産業医など、第三者の客観的な意見を組み入れることが大切です。
受診のハードルを下げる
「受診するほどでもないかも」と思った時点で、もう受診のタイミングです。
医師は症状の重さで人を判断したりしません。
動けなくなる前に整える「3つの基本」
6月の不調を予防・軽減するために、心療内科医として外来で繰り返しお伝えしているのは、3つの基本です。
1. 睡眠の前倒し
忙しい時期ほど、睡眠時間を確保することが最優先です。
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、睡眠6時間未満が続くと心血管疾患リスクが大きく上がることが示されています。
「やることが終わってから寝る」ではなく、「寝る時間を決めて、そこから逆算して動く」。
順番を変えるだけで、6月の体調は大きく変わります。
2. 朝の光を浴びる
雨が多くて気分が落ちやすい6月こそ、朝起きたらまずカーテンを開けて、外の光を見る。
曇りの日でも、室内よりはるかに明るさがあります。
朝の光は体内時計をリセットし、自律神経のバランスを整える効果があります。
3. 「ひとりで抱え込まない」を意識する
6月の不調は、本人が気づかないうちに進行することが多くあります。
家族・友人・同僚・主治医・産業医、誰でもいいので、「最近こんな感じです」と言葉にすることが大切です。
「困った時に話せる相手」を1人でも確保しておくことが、6月病予防の最大のポイントです。
Stay Fit Clinicでできること
Stay Fit Clinicは、働く人のための内科・心療内科として、6月に増える「動けない朝」「気分の落ち込み」「不眠」のご相談を受けています。
・心療内科診療:うつ病、適応障害、不安障害、不眠症などのご相談・診断・治療
・内科併設:メンタル不調と紛らわしい身体疾患(甲状腺機能、貧血、睡眠時無呼吸症候群など)の鑑別も対応
・診断書発行:必要に応じて、就業上の配慮や休職の診断書を作成
・産業医面談との連携:会社の産業医とのご連携も可能(本人の同意のもと)
・英語診療対応可
「これって6月病?」「受診すべきか迷っている」という段階でも、お気軽にご相談ください。
よくある質問(FAQ)
Q. 「6月病」は病気ですか?
A. 医学的な診断名ではありませんが、6月に体調を崩す方が多いのは事実です。背景には、4-5月の蓄積疲労・梅雨の自律神経の乱れ・新入社員の現実ギャップなど複数の要因があります。症状が2週間以上続く場合は、適応障害やうつ病性障害の可能性もあるため、医療機関にご相談ください。
Q. 5月病と6月病の違いは何ですか?
A. 5月病はGW明けに新生活の緊張が緩んで出やすい不調、6月病は4-5月の蓄積疲労が梅雨入りと重なって表面化する不調、と整理できます。症状自体は似ていますが、出てくる時期と背景が少し異なります。
Q. 何科を受診すれば良いですか?
A. メンタル不調が中心であれば、心療内科・精神科・メンタルクリニックでご相談ください。身体症状が中心の場合は、内科での評価も必要です。Stay Fit Clinicは内科・心療内科併設のため、両面からの診療が可能です。
Q. 受診すれば必ず診断書がもらえますか?
A. 診断書は診察の結果、医師が医学的に必要と判断した場合に発行される文書です。受診すれば必ず発行されるものではありません。詳しくは「休職の診断書のもらい方|心療内科で相談する流れと会社への伝え方」をご覧ください。
Q. 「6月病」で休職する場合、傷病手当金は使えますか?
A. 業務外の病気で働けない状態が続き、給与が支払われない場合、健康保険の傷病手当金を申請できる可能性があります。詳細は「傷病手当金のもらい方|申請方法・金額・必要書類を心療内科医が完全解説」をご確認ください。
Q. 自分で気をつけることはありますか?
A. 睡眠時間の確保、朝の光を浴びる、軽い運動、ひとりで抱え込まない、の4点が予防の基本です。それでも症状が続く場合は、早めに医療機関にご相談ください。
まとめ
・「6月病」は医学的診断名ではないが、6月に体調を崩す方は実際に増える
・背景には4-5月の蓄積疲労・梅雨の自律神経の乱れ・新環境の現実ギャップがある
・症状が2週間以上続く場合は適応障害・うつ病性障害の可能性も
・朝、動けない日があるのは身体からのSOS。自分を責めず、医療機関にご相談を
・予防の基本は、睡眠の前倒し・朝の光・抱え込まない、の3つ
「これって6月病かも?」と感じた段階で、ご相談ください。
「受診するほどでもない」と思った時点で、もう受診のタイミングです。
📩 英語でのお問い合わせも歓迎しています
Stay Fit Clinic 院長 薮野淳也
心療内科医・産業医・社会医学系専門医
著書『産業医が教える 会社の休み方』(中公新書ラクレ、2024年)
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参考文献
・American Psychiatric Association. (2013). Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders (5th ed.). DSM-5
・厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」(令和5年12月)
https://www.mhlw.go.jp/content/10904750/001181265.pdf
・厚生労働省「働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト こころの耳」
https://kokoro.mhlw.go.jp/




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