top of page
検索

睡眠時無呼吸症候群とは|働く人のいびき・日中の眠気を産業医が解説

執筆者の写真: stayfitclinic
stayfitclinic
5月12日
読了時間: 9分

⸻


会議中、どうしても眠気に勝てない。

家族から「いびきがひどい」と言われている。

朝起きても疲れが取れない。

高血圧や糖尿病を健康診断で指摘された。


そんな方は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性があります。


睡眠時無呼吸症候群とは|働く人のいびき・日中の眠気を産業医が解説
睡眠時無呼吸症候群とは|働く人のいびき・日中の眠気を産業医が解説

⸻


睡眠時無呼吸症候群は、日本人成人の約20%が中等度以上の症状を持つとも言われている、決して珍しくない疾患です。


しかし、多くの方は「ただのいびき」「ただの寝不足」と考え、放置されがちです。


実際には、睡眠時無呼吸症候群は、心筋梗塞・脳梗塞・糖尿病・うつ病・交通事故のリスクを大幅に高める疾患です。


⸻


この記事では、Stay Fit Clinic(東京都港区南青山・外苑前)の産業医・心療内科医として、働く人の睡眠時無呼吸症候群について、症状・診断・治療まで包括的に解説します。


⸻


睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは


睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)とは、寝ている間に、呼吸が繰り返し止まる、または浅くなる状態が続く疾患です。


⸻


医学的には以下のように定義されます。


・無呼吸: 10秒以上呼吸が止まる

・低呼吸: 呼吸が浅くなり、酸素飽和度が下がる

・SAS診断基準: 1時間あたり5回以上の無呼吸または低呼吸がある(AHI 5以上)


⸻


睡眠中に呼吸が止まると、


・血液中の酸素濃度が下がる

・脳が「呼吸して」と覚醒する(本人は気づかない)

・睡眠が浅くなり、深い眠りが得られない

・自律神経が乱れ、血圧が上がる


これが何百回も繰り返されることで、心血管系への負担が積み重なります。


⸻


SASのタイプ


睡眠時無呼吸症候群には、主に2種類あります。


⸻


1. 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)


最も多いタイプで、日本人SASの約9割を占めます。


寝ている間に、上気道(のど)の筋肉がゆるみ、空気の通り道が狭くなる、または完全に塞がることで発生します。


⸻


特徴は以下です。


・大きないびきがある

・呼吸が止まったあと、ハッと息を吸い込む

・肥満との関連が強い

・あごが小さい人にも多い

・男性に多いが、女性も閉経後にリスクが上がる


⸻


2. 中枢性睡眠時無呼吸(CSA)


脳から「呼吸せよ」という信号が出にくくなることで起こるタイプです。


心不全・脳卒中の既往がある方に多く見られます。


⸻


働く世代で多いのは閉塞性(OSA)であり、この記事では主にOSAについて解説します。


⸻


SASのよくある症状


睡眠時無呼吸症候群の症状は、本人が気づきにくいことが特徴です。


家族・パートナー・同僚から指摘されて、はじめて受診するケースも少なくありません。


⸻


夜間の症状(家族・パートナーが気づきやすい)


・大きないびき

・呼吸が止まる

・呼吸が再開する時に大きな音がする

・寝相が悪い

・夜中に何度もトイレに起きる

・寝汗をかく


⸻


日中の症状(本人が気づきやすい)


・朝起きても疲れが取れない

・起床時に頭痛がある

・口や喉が渇いている

・日中の強い眠気

・会議・運転中に眠ってしまう

・集中力・記憶力の低下

・気分の落ち込み・イライラ

・性機能の低下


⸻


特に、「会議中に眠ってしまう」「会話していて急に眠くなる」といった症状は、SASの典型的なサインです。


⸻


SASとメンタル不調は紛らわしい


ここが、私が心療内科医として強調したいポイントです。


睡眠時無呼吸症候群の症状は、うつ病・適応障害と非常に似ていることがあります。


⸻


例えば、


・朝起きられない

・日中ぼーっとしている

・気分が落ち込む

・集中できない

・仕事のパフォーマンスが落ちている

・休日でも疲れが取れない


これらは、うつ病でも、SASでも見られる症状です。


⸻


実際、うつ病と診断されて抗うつ薬を飲んでいた方が、SAS治療を始めたら劇的に改善したというケースは少なくありません。


逆に、SASの治療をしないままうつ病治療だけ続けても、効果が出にくいことがあります。


⸻


メンタルクリニック・心療内科では、本来、こうした身体疾患の鑑別まで踏み込んでみる姿勢が重要です。


Stay Fit Clinicでは、心療内科に加え、内科診療も併せて行っていますので、こうした鑑別も視野に入れた診療が可能です。


⸻


SASを放置するとどうなるのか


睡眠時無呼吸症候群を放置すると、命に関わる疾患のリスクが大きく上がります。


⸻


心血管疾患リスク


・高血圧: SAS患者の約半数が高血圧

・心筋梗塞: リスクが約3倍

・脳卒中: リスクが約4倍

・不整脈・心不全: リスク増加

・突然死: 重症SASは突然死リスクが上がる


⸻


代謝疾患リスク


・糖尿病: インスリン抵抗性が悪化

・脂質異常症: リスク増加

・メタボリックシンドローム: SASとの併発が多い


⸻


精神疾患リスク


・うつ病: 睡眠の質低下による

・認知機能低下: 慢性的な低酸素による

・認知症リスク: 長期の影響


⸻


事故リスク


・交通事故: 居眠り運転による事故リスクが約7倍

・労働災害: 集中力低下による事故


⸻


特に、運転を仕事にする方(営業・運送業・タクシードライバー等)にとって、SASは命に直結する疾患です。


⸻


SASのセルフチェック


「自分はSASかもしれない」と思った方は、以下のチェック項目を確認してください。


⸻


Epworth Sleepiness Scale(簡易版)


以下の状況で、どのくらい眠くなるかを評価します(0:全くない、3:強い)。


・座って読書をしている時

・テレビを見ている時

・公の場で座っている時(劇場・会議など)

・乗客として車に1時間以上乗っている時

・午後横になって休んでいる時

・座って人と話している時

・昼食後(飲酒なし)静かに座っている時

・運転中、信号などで数分間止まっている時


⸻


合計点が11点以上で、「日中の過剰な眠気」が疑われます。


⸻


その他のチェック項目


・家族にいびきを指摘される

・体重が増えている

・朝起きてもスッキリしない

・夜中に何度もトイレに起きる

・健康診断で高血圧・糖尿病を指摘されている

・首回りが太い(男性17インチ・女性16インチ以上)


⸻


これらに複数該当する場合、医療機関での検査をおすすめします。


⸻


SASの診断方法


SASの診断は、医療機関で行います。


⸻


1. 問診・診察


睡眠の状況、いびきの有無、日中の眠気、体重・首回り、既往歴などを確認します。


家族・パートナーからの情報も重要です。


⸻


2. 簡易検査(自宅で実施可能)


専用の機器を貸し出し、自宅で一晩睡眠中の呼吸・酸素飽和度を測定します。


・痛みなし

・自宅で実施できる

・健康保険適用


⸻


3. 精密検査(PSG:ポリソムノグラフィ)


簡易検査でSASが疑われた場合、入院または外来で精密検査を行います。


脳波・心電図・呼吸・酸素飽和度・筋電図などを総合的に測定し、確定診断を行います。


⸻


SASの治療法


睡眠時無呼吸症候群は、治療できる疾患です。


主な治療法は以下です。


⸻


1. CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)


中等度〜重症のSASに対する第一選択の治療です。


寝る時にマスクを装着し、空気を一定の圧で送り込むことで、上気道が塞がるのを防ぎます。


⸻


特徴は以下です。


・健康保険適用

・自己負担月約5,000円程度

・装着後すぐに症状改善を実感する方が多い

・継続使用が必要


⸻


2. マウスピース療法


軽度〜中等度のSASに対して、歯科医院で作成するマウスピースを装着して下顎を前に出すことで、上気道を確保する方法です。


⸻


3. 生活習慣の改善


・減量: 肥満があれば、5〜10%の減量で症状改善することが多い

・禁酒・節酒: 寝る前のアルコールを控える

・側臥位での睡眠: 横向きで寝る

・禁煙: 上気道の炎症を防ぐ

・運動: 上気道筋の機能改善


⸻


特に、減量と運動は、薬を増やさずにSASを改善できる重要な手段です。


⸻


4. 手術療法


扁桃肥大・鼻中隔湾曲症など、解剖学的な問題が明確な場合は、耳鼻咽喉科での手術が選択肢になります。


⸻


運動療法とSAS


ここが、Stay Fit Clinicの強みです。


睡眠時無呼吸症候群は、運動療法によって症状改善が期待できる疾患です。


⸻


運動療法の効果は以下です。


・体重減少 → 上気道の脂肪減少 → 気道確保

・上気道筋の機能改善

・自律神経のバランス改善

・睡眠の質改善

・血圧・血糖値の改善


⸻


特に、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせた運動は、SAS患者の症状改善に有効と報告されています。


Stay Fit Clinicでは、必要に応じて運動療法処方箋を発行し、提携する指定運動療法施設CrossFit Aoyamaで運動療法を受けることが可能です。


CPAP療法と並行して運動療法を行うことで、より早い症状改善が期待できます。


⸻



⸻


産業医面談でSASが見つかるケース


SASは、産業医面談で発見されることもあります。


⸻


例えば、


・長時間労働者面談で「日中の強い眠気」を訴える

・ストレスチェックで「不眠・疲労感」が高い

・健康診断で高血圧・糖尿病を指摘されている

・休職前面談で「うつ症状の背景に睡眠の問題」が疑われる


こうしたケースで、産業医がSASを疑い、専門医療機関へ紹介することがあります。


⸻


産業医面談でSASを疑われた方は、放置せず、医療機関での検査を受けることをおすすめします。



⸻


Stay Fit Clinicでの対応


Stay Fit Clinicは、東京都港区南青山・外苑前駅から徒歩3分にある心療内科・内科です。


⸻


SASに関しては、以下の対応が可能です。


・問診・診察によるSAS疑いの初期評価

・SAS簡易検査(自宅検査)の手配

・専門医療機関(精密検査・CPAP導入)への紹介

・運動療法処方箋の発行(指定運動療法施設での運動療法)

・うつ病・適応障害との鑑別診断

・産業医からの紹介状による継続診療


⸻


特に、「メンタルの不調と思っていたら睡眠の問題だった」というケースに対しては、心療内科と内科を一体運用しているStay Fit Clinicの強みが活きます。


⸻


まとめ|SASは「治療できる疾患」です


睡眠時無呼吸症候群は、決して珍しい病気ではありません。


そして、治療によって日常生活・仕事のパフォーマンスが大きく改善する疾患です。


⸻


放置すれば、心筋梗塞・脳梗塞・糖尿病・うつ病・交通事故のリスクが上がります。

逆に、適切な治療を受ければ、これらのリスクを下げ、毎日の生活の質も大きく改善します。


⸻


「いびきがひどい」

「日中の眠気が強い」

「朝の疲れが取れない」

「健康診断で高血圧と言われた」

「うつ病治療を続けても効果が出にくい」


そんな方は、まずは医療機関で相談することから始めてみてください。


⸻


ご予約・ご相談


Stay Fit Clinicでは、SASを含む睡眠の問題、心療内科の悩み、内科疾患まで、包括的に診療を行っています。


ご予約は以下からお願いします。


⸻



Stay Fit Clinic

東京都港区南青山2-27-18 パサージュ青山B1F

外苑前駅 1a出口より徒歩3分


⸻


▶ 関連記事



⸻


 
 
 

2件のコメント


不明なメンバー
10月09日

A very thoughtful and well-written article! I appreciate the way you structured the content and explained each point with such simplicity. Excellent job!소액결제 현금화


いいね!

不明なメンバー
10月08日

정보이용료 현금화   A very informative and engaging article. I appreciate the effort put into explaining the important aspects of the topic rather than simply providing a short overview. The writing is clear, the ideas are easy to follow, and the overall content gives readers a useful starting point for further research.


いいね!
bottom of page