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睡眠時無呼吸症候群とは|働く人のいびき・日中の眠気を産業医が解説

  • 執筆者の写真: stayfitclinic
    stayfitclinic
  • 1 日前
  • 読了時間: 9分


会議中、どうしても眠気に勝てない。

家族から「いびきがひどい」と言われている。

朝起きても疲れが取れない。

高血圧や糖尿病を健康診断で指摘された。


そんな方は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性があります。


睡眠時無呼吸症候群とは|働く人のいびき・日中の眠気を産業医が解説
睡眠時無呼吸症候群とは|働く人のいびき・日中の眠気を産業医が解説


睡眠時無呼吸症候群は、日本人成人の約20%が中等度以上の症状を持つとも言われている、決して珍しくない疾患です。


しかし、多くの方は「ただのいびき」「ただの寝不足」と考え、放置されがちです。


実際には、睡眠時無呼吸症候群は、心筋梗塞・脳梗塞・糖尿病・うつ病・交通事故のリスクを大幅に高める疾患です。



この記事では、Stay Fit Clinic(東京都港区南青山・外苑前)の産業医・心療内科医として、働く人の睡眠時無呼吸症候群について、症状・診断・治療まで包括的に解説します。



睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは


睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome:SAS)とは、寝ている間に、呼吸が繰り返し止まる、または浅くなる状態が続く疾患です。



医学的には以下のように定義されます。


無呼吸: 10秒以上呼吸が止まる

低呼吸: 呼吸が浅くなり、酸素飽和度が下がる

SAS診断基準: 1時間あたり5回以上の無呼吸または低呼吸がある(AHI 5以上)



睡眠中に呼吸が止まると、


・血液中の酸素濃度が下がる

・脳が「呼吸して」と覚醒する(本人は気づかない)

・睡眠が浅くなり、深い眠りが得られない

・自律神経が乱れ、血圧が上がる


これが何百回も繰り返されることで、心血管系への負担が積み重なります。



SASのタイプ


睡眠時無呼吸症候群には、主に2種類あります。



1. 閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)


最も多いタイプで、日本人SASの約9割を占めます。


寝ている間に、上気道(のど)の筋肉がゆるみ、空気の通り道が狭くなる、または完全に塞がることで発生します。



特徴は以下です。


・大きないびきがある

・呼吸が止まったあと、ハッと息を吸い込む

・肥満との関連が強い

・あごが小さい人にも多い

・男性に多いが、女性も閉経後にリスクが上がる



2. 中枢性睡眠時無呼吸(CSA)


脳から「呼吸せよ」という信号が出にくくなることで起こるタイプです。


心不全・脳卒中の既往がある方に多く見られます。



働く世代で多いのは閉塞性(OSA)であり、この記事では主にOSAについて解説します。



SASのよくある症状


睡眠時無呼吸症候群の症状は、本人が気づきにくいことが特徴です。


家族・パートナー・同僚から指摘されて、はじめて受診するケースも少なくありません。



夜間の症状(家族・パートナーが気づきやすい)


・大きないびき

・呼吸が止まる

・呼吸が再開する時に大きな音がする

・寝相が悪い

・夜中に何度もトイレに起きる

・寝汗をかく



日中の症状(本人が気づきやすい)


・朝起きても疲れが取れない

・起床時に頭痛がある

・口や喉が渇いている

・日中の強い眠気

・会議・運転中に眠ってしまう

・集中力・記憶力の低下

・気分の落ち込み・イライラ

・性機能の低下



特に、「会議中に眠ってしまう」「会話していて急に眠くなる」といった症状は、SASの典型的なサインです。



SASとメンタル不調は紛らわしい


ここが、私が心療内科医として強調したいポイントです。


睡眠時無呼吸症候群の症状は、うつ病・適応障害と非常に似ていることがあります。



例えば、


・朝起きられない

・日中ぼーっとしている

・気分が落ち込む

・集中できない

・仕事のパフォーマンスが落ちている

・休日でも疲れが取れない


これらは、うつ病でも、SASでも見られる症状です。



実際、うつ病と診断されて抗うつ薬を飲んでいた方が、SAS治療を始めたら劇的に改善したというケースは少なくありません。


逆に、SASの治療をしないままうつ病治療だけ続けても、効果が出にくいことがあります。



メンタルクリニック・心療内科では、本来、こうした身体疾患の鑑別まで踏み込んでみる姿勢が重要です。


Stay Fit Clinicでは、心療内科に加え、内科診療も併せて行っていますので、こうした鑑別も視野に入れた診療が可能です。



SASを放置するとどうなるのか


睡眠時無呼吸症候群を放置すると、命に関わる疾患のリスクが大きく上がります。



心血管疾患リスク


高血圧: SAS患者の約半数が高血圧

心筋梗塞: リスクが約3倍

脳卒中: リスクが約4倍

不整脈・心不全: リスク増加

突然死: 重症SASは突然死リスクが上がる



代謝疾患リスク


糖尿病: インスリン抵抗性が悪化

脂質異常症: リスク増加

メタボリックシンドローム: SASとの併発が多い



精神疾患リスク


うつ病: 睡眠の質低下による

認知機能低下: 慢性的な低酸素による

認知症リスク: 長期の影響



事故リスク


交通事故: 居眠り運転による事故リスクが約7倍

労働災害: 集中力低下による事故



特に、運転を仕事にする方(営業・運送業・タクシードライバー等)にとって、SASは命に直結する疾患です。



SASのセルフチェック


「自分はSASかもしれない」と思った方は、以下のチェック項目を確認してください。



Epworth Sleepiness Scale(簡易版)


以下の状況で、どのくらい眠くなるかを評価します(0:全くない、3:強い)。


・座って読書をしている時

・テレビを見ている時

・公の場で座っている時(劇場・会議など)

・乗客として車に1時間以上乗っている時

・午後横になって休んでいる時

・座って人と話している時

・昼食後(飲酒なし)静かに座っている時

・運転中、信号などで数分間止まっている時



合計点が11点以上で、「日中の過剰な眠気」が疑われます。



その他のチェック項目


・家族にいびきを指摘される

・体重が増えている

・朝起きてもスッキリしない

・夜中に何度もトイレに起きる

・健康診断で高血圧・糖尿病を指摘されている

・首回りが太い(男性17インチ・女性16インチ以上)



これらに複数該当する場合、医療機関での検査をおすすめします。



SASの診断方法


SASの診断は、医療機関で行います。



1. 問診・診察


睡眠の状況、いびきの有無、日中の眠気、体重・首回り、既往歴などを確認します。


家族・パートナーからの情報も重要です。



2. 簡易検査(自宅で実施可能)


専用の機器を貸し出し、自宅で一晩睡眠中の呼吸・酸素飽和度を測定します。


・痛みなし

・自宅で実施できる

・健康保険適用



3. 精密検査(PSG:ポリソムノグラフィ)


簡易検査でSASが疑われた場合、入院または外来で精密検査を行います。


脳波・心電図・呼吸・酸素飽和度・筋電図などを総合的に測定し、確定診断を行います。



SASの治療法


睡眠時無呼吸症候群は、治療できる疾患です。


主な治療法は以下です。



1. CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)


中等度〜重症のSASに対する第一選択の治療です。


寝る時にマスクを装着し、空気を一定の圧で送り込むことで、上気道が塞がるのを防ぎます。



特徴は以下です。


・健康保険適用

・自己負担月約5,000円程度

・装着後すぐに症状改善を実感する方が多い

・継続使用が必要



2. マウスピース療法


軽度〜中等度のSASに対して、歯科医院で作成するマウスピースを装着して下顎を前に出すことで、上気道を確保する方法です。



3. 生活習慣の改善


減量: 肥満があれば、5〜10%の減量で症状改善することが多い

禁酒・節酒: 寝る前のアルコールを控える

側臥位での睡眠: 横向きで寝る

禁煙: 上気道の炎症を防ぐ

運動: 上気道筋の機能改善



特に、減量と運動は、薬を増やさずにSASを改善できる重要な手段です。



4. 手術療法


扁桃肥大・鼻中隔湾曲症など、解剖学的な問題が明確な場合は、耳鼻咽喉科での手術が選択肢になります。



運動療法とSAS


ここが、Stay Fit Clinicの強みです。


睡眠時無呼吸症候群は、運動療法によって症状改善が期待できる疾患です。



運動療法の効果は以下です。


・体重減少 → 上気道の脂肪減少 → 気道確保

・上気道筋の機能改善

・自律神経のバランス改善

・睡眠の質改善

・血圧・血糖値の改善



特に、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせた運動は、SAS患者の症状改善に有効と報告されています。


Stay Fit Clinicでは、必要に応じて運動療法処方箋を発行し、提携する指定運動療法施設CrossFit Aoyamaで運動療法を受けることが可能です。


CPAP療法と並行して運動療法を行うことで、より早い症状改善が期待できます。





産業医面談でSASが見つかるケース


SASは、産業医面談で発見されることもあります。



例えば、


・長時間労働者面談で「日中の強い眠気」を訴える

・ストレスチェックで「不眠・疲労感」が高い

・健康診断で高血圧・糖尿病を指摘されている

・休職前面談で「うつ症状の背景に睡眠の問題」が疑われる


こうしたケースで、産業医がSASを疑い、専門医療機関へ紹介することがあります。



産業医面談でSASを疑われた方は、放置せず、医療機関での検査を受けることをおすすめします。




Stay Fit Clinicでの対応


Stay Fit Clinicは、東京都港区南青山・外苑前駅から徒歩3分にある心療内科・内科です。



SASに関しては、以下の対応が可能です。


・問診・診察によるSAS疑いの初期評価

・SAS簡易検査(自宅検査)の手配

・専門医療機関(精密検査・CPAP導入)への紹介

・運動療法処方箋の発行(指定運動療法施設での運動療法)

・うつ病・適応障害との鑑別診断

・産業医からの紹介状による継続診療



特に、「メンタルの不調と思っていたら睡眠の問題だった」というケースに対しては、心療内科と内科を一体運用しているStay Fit Clinicの強みが活きます。



まとめ|SASは「治療できる疾患」です


睡眠時無呼吸症候群は、決して珍しい病気ではありません。


そして、治療によって日常生活・仕事のパフォーマンスが大きく改善する疾患です。



放置すれば、心筋梗塞・脳梗塞・糖尿病・うつ病・交通事故のリスクが上がります。

逆に、適切な治療を受ければ、これらのリスクを下げ、毎日の生活の質も大きく改善します。



「いびきがひどい」

「日中の眠気が強い」

「朝の疲れが取れない」

「健康診断で高血圧と言われた」

「うつ病治療を続けても効果が出にくい」


そんな方は、まずは医療機関で相談することから始めてみてください



ご予約・ご相談


Stay Fit Clinicでは、SASを含む睡眠の問題、心療内科の悩み、内科疾患まで、包括的に診療を行っています。


ご予約は以下からお願いします。




Stay Fit Clinic

東京都港区南青山2-27-18 パサージュ青山B1F

外苑前駅 1a出口より徒歩3分



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