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GW前の「なんとなく不安」の正体|連休前の焦燥感・眠れない時の対処法を心療内科医が解説

  • 執筆者の写真: stayfitclinic
    stayfitclinic
  • 4月21日
  • 読了時間: 9分


GWを目前にして、なぜか眠れない。

気分が沈む。

仕事が手につかない。


連休が近づくと、心がふわっと軽くなる方もいれば、逆に「なんとなく不安」「焦燥感がある」という状態になる方もいます。


毎年この時期、当院の外来にも、

「休みの前のほうがむしろ調子が悪い」

というご相談が増えます。



まず結論です。


GW前の「なんとなく不安」は、甘えではありません。

4月の環境変化、連休前の業務負荷、連休明けへの予期不安が重なることで起きやすい反応です。

ただし、眠れない・気分が沈む・仕事に支障が出る状態が続く場合は、早めに専門家へ相談してください。



この記事では、GW前に起きる「なんとなく不安」の医学的な背景、よくある3つのパターン、今日からできるセルフケア、そして受診を検討すべきサインについて、心療内科医・産業医の立場から解説します。



GW前の「なんとなく不安」の正体|連休前の焦燥感・眠れない時の対処法を心療内科医が解説
GW前の「なんとなく不安」の正体|連休前の焦燥感・眠れない時の対処法を心療内科医が解説

なぜゴールデンウィーク連休前に不安が強くなるのか


連休前の不安は、単なる「気のせい」ではありません。


ストレス心理学の観点では、予期不安に近い要素が関係していることがあります。


予期不安とは、これから起きることに対して、先回りして不安を感じる状態です。


不安障害や適応障害の方だけでなく、健康な方でも日常的に経験します。


さらに連休前には、以下のような要素が重なります。


・連休までの業務を「終わらせなければいけない」プレッシャー

・連休中の予定(帰省・旅行・行事)への気疲れ

・連休明けに待つタスクや会議への先回りの心配

・4月からの緊張の蓄積が、切れる前に揺らぐ感覚


厚生労働省「令和5年 労働安全衛生調査(実態調査)」では、仕事や職業生活に強い不安・悩み・ストレスを感じている労働者の割合は82.7%と報告されています。


普段から多くの方がストレスを抱えている中で、4月という環境変化の重なる時期を越えてきた身体と心が、連休という「非日常」を前に揺らぐのは、むしろ自然な反応とも言えます。



連休前の不安、よくある3つのパターン



パターン1:予期不安型(連休明けが怖い)


連休そのものではなく、連休が明けた後に仕事へ戻ることへの不安が中心のタイプです。


・連休中もスマホで仕事のメールが気になって見てしまう

・連休最終日の夕方になると急に気分が沈む

・「あと何日で仕事が始まる」と逆算してしまう

・連休中の楽しい予定に集中できない


このパターンは、4月から蓄積した疲労やストレスが背景にあることが多いです。


「休みに入れば楽になる」と期待していたのに、頭の中では仕事から離れられない状態と言えます。



パターン2:オンオフ切替困難型(仕事モードが抜けない)


仕事から離れることそのものが苦手なタイプです。


・連休中も仕事のタスクリストを頭の中で回してしまう

・何もしていないと落ち着かず、常に予定を入れてしまう

・休むことに罪悪感を覚える

・リラックスしようとしてもできない


このパターンは、真面目で責任感の強い方に多く見られます。


交感神経優位の状態から副交感神経優位の状態に切り替わらないと、身体も脳も休みにくくなります。



パターン3:抑うつ前駆症状型(連休前から気分が沈んでいる)


連休前からすでに抑うつ気分や身体症状が出ているタイプです。


この場合は、少し注意が必要です。


・朝起きるのがつらい日が2週間以上続いている

・楽しみにしていたはずのことに興味が湧かない

・集中力・判断力が明らかに落ちている

・食欲や睡眠に変化がある

・「連休中にゆっくり寝たい」より「連休中も起き上がれない気がする」


このパターンは、「連休前の不安」の範囲を超えて、適応障害やうつ病の初期症状である可能性があります。


セルフケアだけで対応しようとせず、早めに専門家へ相談していただきたい状態です。



今日からできるセルフケア5選



1. 呼吸法で"仕事モード"をゆるめる


不安や焦燥感が強いときは、まず呼吸に意識を向けることが有効です。


たとえば、4秒かけて鼻から息を吸い、7秒息を止め、8秒かけて口からゆっくり吐く「4-7-8呼吸法」は、リラックスを促す呼吸法のひとつとして知られています。


すべての人に合うわけではありませんが、寝る前や不安が強いときに、呼吸へ意識を戻す方法として試してみてもよいでしょう。



2. 規則正しい睡眠リズムを崩さない


連休前こそ、平日と同じ時刻に起きる・寝ることを意識してください。


連休前から夜更かしや朝寝坊を始めると、連休明けに体内時計がさらに乱れやすくなります。


厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、成人は6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保すること、生活リズムを整えることが重要とされています。



3. 軽い運動を日課にする


世界保健機関(WHO)の「身体活動・座位行動ガイドライン2020」では、成人に週150分以上の中強度有酸素運動が推奨されています。


いきなり激しい運動をする必要はありません。

まずは、1日15〜20分の早歩きでも十分です。


2024年にBMJに掲載された大規模な系統的レビューでも、ウォーキング、ジョギング、ヨガ、筋力トレーニングなどの運動が、抑うつ症状の改善に有効であることが示されています。


運動療法の詳細は「運動療法とは」もご覧ください。



4. タスクを「紙に書き出す」


「連休明けにあれもこれもやらなきゃ」と頭の中でぐるぐる考え続けると、不安は増幅しやすくなります。


連休前の金曜日に10分だけ時間をとって、連休明けにやるタスクを紙に全部書き出してみてください。


書き出して、

「今週はここまでで終わり」

と決めるだけでも、頭の中のループが止まりやすくなります。


これは、認知行動療法でも使われる「外部化」の考え方に近い方法です。



5. カフェイン・アルコールを見直す


連休前で疲れているとき、コーヒーを増やしたり、寝酒を増やしたりしがちです。


しかし、カフェインは夕方以降の摂取で睡眠の質に影響することがあります。

また、アルコールは寝つきをよくするように感じても、睡眠の後半を浅くし、疲労回復を妨げることがあります。


「眠れないから飲む」が悪循環の始まりになることもあります。



受診を検討すべき3つのサイン


セルフケアで対応できる範囲と、専門家の力を借りたほうがよい状態があります。


以下のいずれかに該当する場合は、早めの受診をおすすめします。



サイン1:症状が2週間以上続いている


朝起きるのがつらい。

気分が沈む。

眠れない。

食欲がない。


こうした状態が2週間以上続いている場合、単なる連休前の不安の範囲を超えている可能性があります。


適応障害やうつ病の初期である可能性もあるため、早めに医療機関で評価を受けてください。



サイン2:日常生活・仕事に支障が出ている


・会議で発言しようとしても言葉が出てこない

・いつもならできる仕事に時間がかかる

・出社前に吐き気や腹痛が出る

・休日になっても気分が回復しない


このように、客観的に見て機能が落ちている場合は、気力で乗り切る段階を超えている可能性があります。



サイン3:消えてしまいたい気持ちがある


「もう消えてしまいたい」

「自分なんていなくなればいい」


こうした考えが浮かぶ場合は、セルフケアで様子を見る段階ではありません


すぐに身近な人、医療機関、地域の相談窓口、救急窓口などに相談してください。

ひとりで抱え込まないことが最優先です。



受診することは「休むかどうかを決める」ことではありません


受診を迷う方がよく言われるのが、

「診断書を出されて休職になってしまうのでは」

という不安です。


お伝えしたいのは、受診は何かを決める場ではなく、今の状態を専門家と一緒に整理する場だということです。


診断書を出すかどうかは、本人の状況・症状の強さ・環境要因を総合的に評価したうえで、本人と相談しながら決めます。


医師が一方的に休職を命じることはありません。


拙著『産業医が教える 会社の休み方』(中公新書ラクレ, 2024年)でも書いていますが、

「休むかどうかを判断するのは本人ではなく、主治医・産業医・会社」です。


だからこそ、一人で抱え込まずに、まず医師に状況を話してみてほしいと思っています。



Stay Fit Clinicでの診療について


当院は、港区南青山(外苑前駅徒歩圏)の心療内科・内科です。

ビジネスパーソン向けに、夕方〜夜間の診療時間を設けています。


・産業医として15社以上の企業で人事・労務と連携してきた経験を活かし、職場の事情を踏まえた診療を行っています

・「連休前の不安」が一過性のものなのか、適応障害の初期なのかを丁寧に評価します

・必要に応じて、環境調整の診断書や休職の診断書を作成できます

・睡眠の質が落ちている場合は、生活調整を基本にしながら、必要に応じて短期的な薬物療法を検討することもあります

・回復後は、併設のCrossFit Aoyama(厚労省認定・指定運動療法施設)と連携した運動療法プログラムもご利用可能です


内容に応じてオンラインでのご相談にも対応しています。

症状や診療内容によっては、対面診療をご案内する場合があります。


「なんとなく不安」

「眠れない」

「仕事が手につかない」


連休前にそうした状態が続いているなら、早めにご相談ください。





Stay Fit Clinic 院長

心療内科医・産業医

薮野淳也



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