健康診断でHbA1cが高いと言われたら|放置リスクと改善策(港区・外苑前)
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- 4 日前
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更新日:3 時間前
健康診断や人間ドックで「HbA1cが高めです」と指摘され、不安を感じている方が増える時期です。
「自覚症状はないし、まだ大丈夫だろう」と放置してしまう方が多いのですが、HbA1cの上昇は将来の合併症リスクを示すサインです。早い段階で対応すれば、薬を使わずに改善できる可能性も高まります。
この記事では、Stay Fit Clinic(東京都港区南青山・外苑前)の医師の視点から、HbA1cの基準値、放置のリスク、改善のステップ、医療機関に相談すべきタイミングをまとめます。

HbA1cとは — 過去1〜2か月の血糖値の平均を示す指標
HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は、過去1〜2か月の血糖値の平均を反映する血液検査の指標です。
血糖値は食事や運動の影響で1日の中でも大きく変動しますが、HbA1cは赤血球中のヘモグロビンに結合した糖の割合を測るため、直前の食事に左右されず長期的な血糖コントロールの状態が分かります。
そのため、健康診断や糖尿病管理で広く用いられています。
HbA1cの基準値と判定
日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」に基づくと、HbA1cの判定はおおむね以下のように分類されます。
HbA1c値(NGSP) | 判定の目安
5.6%未満 | 基準範囲内
5.6〜5.9% | 境界域(保健指導の対象になりやすい)
6.0〜6.4% | 糖尿病予備軍(境界型)の可能性
6.5%以上 | 糖尿病型(精査・治療が必要)
ただし、糖尿病の確定診断はHbA1cだけで行うものではなく、空腹時血糖値や随時血糖値、75g経口ブドウ糖負荷試験などと組み合わせて判定されます。
健康診断で6.5%以上が出た場合は、必ず医療機関で精査を受けてください。
HbA1cが高いまま放置するとどうなるか
HbA1c上昇の段階では自覚症状がほとんど出ないことが多く、放置されがちです。しかし、高血糖が続くと全身の血管が長期的にダメージを受け、以下のような合併症リスクが高まります。
三大合併症(細小血管障害)
・糖尿病網膜症:失明の主要原因のひとつ
・糖尿病腎症:透析導入の最も多い原因
・糖尿病神経障害:手足のしびれ、感覚低下、自律神経障害
大血管障害
・動脈硬化、心筋梗塞、脳梗塞:糖尿病があると発症リスクが2〜4倍に上昇
・末梢動脈疾患:足の血流障害、重症化すると切断リスク
さらに、糖尿病はがん・認知症・骨折リスクの上昇とも関連することが報告されています。日本糖尿病学会のガイドラインでは、日本人糖尿病患者の死因第1位はがんで約40%を占めることが示されています。
「HbA1cが少し高いくらい」と感じていても、10年後・20年後の健康を大きく左右する数値です。
治療目標 — 「7%未満」が基本
糖尿病診療ガイドライン2024では、HbA1cの治療目標は以下のように示されています。
目標 | HbA1c値 | 適応
血糖正常化を目指す | 6.0%未満 | 適切な食事・運動療法で達成可能、副作用がない場合
合併症予防のための目標 | 7.0%未満 | 大半の患者の標準目標
治療強化が困難な場合 | 8.0%未満 | 副作用や併存症などで強化が難しい場合
具体的な血糖値の目安としては、空腹時血糖130mg/dL未満、食後2時間値180mg/dL未満が示されています。
ただし、年齢・罹病期間・合併症の有無・低血糖リスク・サポート体制を考慮して、個別に目標を設定することが重要です。
HbA1cを下げるための3つの基本ステップ
1. 食事の見直し
・1日3食を規則正しく、極端な糖質制限よりはバランスを整える
・早食い・ドカ食い・夜遅い食事を避ける
・清涼飲料・菓子類・精製炭水化物を減らす
・野菜・たんぱく質から食べ始める「食べる順番」が血糖変動を緩やかにする
2. 運動を習慣化する
運動はインスリンの効きを改善し、HbA1cを下げる強力な手段です。
・有酸素運動(早歩き・ジョギング・水泳など):週150分以上が推奨
・筋力トレーニング:週2〜3回
・「運動の機会がない」という方こそ、医師と相談して運動療法処方箋の活用が現実的な選択肢になります
詳しくは 運動療法処方箋とは?もらい方・費用・使える施設を心療内科医が解説 をご覧ください。
3. 必要に応じた薬物療法
生活習慣の改善で目標に達しない場合、内服薬・注射薬の選択肢があります。最近ではSGLT2阻害薬・GLP-1受容体作動薬など、心血管・腎保護効果が確認されている薬剤も使われます。
ただし、まずは生活習慣の見直しが基本です。薬を始める前にできることは多くあります。
こんな方は早めに医療機関へご相談ください
・HbA1c 6.5%以上と指摘された方
・HbA1c 6.0〜6.4%で、家族に糖尿病の方がいる
・体重増加、内臓脂肪型肥満が気になる
・のどが渇く、頻尿、急な体重減少などの自覚症状がある
・健康診断で「要再検査」「要精査」と書かれている
特に働き盛りの30〜50代は、忙しさを理由に健康診断結果を放置しがちです。早期介入であればあるほど、薬なしで改善できる可能性が高まります。
Stay Fit Clinicでの対応
当院(東京都港区南青山・外苑前)では、HbA1c高値や糖尿病予備軍の方に対して、以下のような対応を行っています。
・詳細な血液検査:HbA1cのみならず、空腹時血糖・インスリン抵抗性・脂質・肝機能・腎機能まで包括的に評価
・生活習慣のヒアリングと改善指導:食事・運動・睡眠・ストレスの観点から具体的にプランを設計
・運動療法処方箋の発行:必要に応じて、指定運動療法施設(CrossFit Aoyama など)と連携した運動療法をご案内
・薬物療法:必要な場合は適切な薬剤を選択し、定期的にモニタリング
・産業医視点での生活設計:忙しいビジネスパーソンが続けられる現実的な改善プランをご提案します
院長の薮野淳也は産業医として15社以上の企業で働く方々を診ており、働きながら無理なく続けられる改善法を一緒に考えます。
まとめ
・HbA1cは過去1〜2か月の血糖平均を示す重要な指標
・6.5%以上は糖尿病疑い、6.0〜6.4%は予備軍として精査が必要
・放置すると網膜症・腎症・神経障害・動脈硬化などの合併症リスクが高まる
・治療目標はHbA1c 7.0%未満が原則、生活改善で6.0%未満を目指せる場合も
・食事・運動・必要に応じた薬物療法の3本柱で改善可能
・早期介入であれば薬を使わずに改善できる可能性も高い
初診のご案内
健康診断でHbA1cの異常を指摘されたが、何から始めればいいか分からない方。
そんな方は、早めに一度ご相談ください。生活習慣の見直しから運動療法処方箋まで、一人ひとりの状況に合わせて改善プランをご提案します。
Stay Fit Clinic 院長
心療内科医・産業医
薮野淳也
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参考文献
1. 日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2024」第1章・第2章 https://www.jds.or.jp/uploads/files/publications/gl2024/02.pdf
2. 糖尿病情報センター「糖尿病診療ガイドライン2024」 https://dmic.jihs.go.jp/medical/130/05.html
※本記事は一般的な医学情報の提供を目的としたものであり、個別の診断・治療を代替するものではありません。気になる症状や検査値がある方は医療機関にご相談ください。




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