今回のブログでは、「傷病手当」について詳しくご説明します。
休職中はお金の心配がつきものかと思いますが、わが国ではそんな悩みを緩和するシステムが存在しており、それが「傷病手当」です。
傷病手当は、病気やケガによって労働ができない期間中に、所得の一部を給付する制度です。
体調不良で仕事が続けられないけどお金が心配という方も、安心して休養できるようになっています。
具体的な申請方法から支給までの手順を解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。

【傷病手当とは?】
傷病手当は、労働者が病気やケガによって労働ができなくなった場合に、所得の一部を給付する制度です。
これにより、病気やケガによる所得減少による経済的な負担を軽減することができます。
✔ 受給条件
✅ 業務外の病気やケガであること(労災には適用されません)
✅ 仕事を4日以上連続して休んでいること
✅ 休業中に給与が支払われていないこと
✅ 医師の診断書があり、労務不能と判断されていること
✔ 支給額と期間
• 支給額:休業前の給与の 約2/3
• 支給期間:最長 1年6か月
✔ 申請期限
• 2年以内 に手続きをしないと、受給できなくなるので注意しましょう。
申請には医師の診断書が必要になるため、早めの受診をおすすめします。
傷病手当は、所属している健康保険組合によって名称や支給条件が異なる場合がありますので、自身が所属する組合の制度を確認してください。
【傷病手当の申請方法】
傷病手当を受けるためには、以下の手順を踏む必要があります。
① 医療機関を受診し、診断書を取得
傷病手当金の申請には、医師が「業務不能」と診断した診断書が必要 です。
診断書が適切に作成されていないと、申請が通らない可能性があるため、医師としっかり相談しましょう。
もちろんStay Fit Clinicでは、休職に関する診断書の発行が可能です。
② 申請書類を準備
• 健康保険傷病手当金支給申請書(協会けんぽや健康保険組合のサイトからダウンロード可)
• 医師の診断書
• 会社の証明書(給与支払い状況など)
③ 会社へ提出
休職中の給与支払い状況を確認し、勤務先の担当部署(人事・総務)へ提出 します。
④ 健康保険組合へ申請
会社が必要事項を記入後、健康保険組合へ申請書を提出します。
申請から1〜2か月程度で支給が開始されることが一般的 です。
【心療内科での傷病手当金申請時の注意点】
通院中の傷病手当金申請についての一般的な注意事項を紹介します。
受給するためには医師の診断が必要なことがポイントです。
傷病手当金意見書をもらうためには定期的な通院が必要と言われております。
初診日以前にさかのぼることはできない。
未来の日付を記入することはできない。
月1~2回の診察が必要になる。外来受診を全くしていないと保険組合から、本当に労務不能かどうかの疑いをかけられ、受給ができなくなる場合があります。
意見書を手に入れるためには発行料(保険診療で300円ほど)がかかる。
クリニックでは初診以降の診断書しか発行できないため、傷病手当を希望するのであれば見受診でお休みになってからなるべく早く受診することをお勧めします。
【傷病手当は退職後ももらえる?】
全国健康保険協会によると、以下の条件をみたす場合は、退職後も傷病手当は受給可能としています。
”被保険者期間(任意継続被保険者期間を除く)が継続して1年以上あり、退職日の前日までに連続して3日以上仕事を休み、退職日も仕事につけず休んでいる場合は、同じ傷病での療養に限り、退職後も引き続き申請することができます。ただし退職後の受給期間は1日の空白もなく、継続した期間である必要があります。”
【まとめ】
傷病手当は、病気やケガによって労働ができない期間中の所得補償を目的とした制度です。
申請から支給までの手続きは、診断書の取得、申請書の提出、書類の審査などが含まれます。
自身が所属する組織や健康保険組合のガイドラインに従って手続きを進めましょう。
ここでは概要をご紹介しましたが、詳細な情報は所属する地域の保険組合や社会保険事務所のウェブサイト、または専門の窓口で確認してください。
また婦人公論webで「産業医が教える会社の休み方」の抜粋記事が紹介されています。
傷病手当についての説明もありますので、是非ご覧ください。
【休職したい・休職中のお困りごとは是非ご相談ください】
Stay Fit Clinicでは、傷病手当金の申請に必要な診断書の発行や、休職中のメンタルケア、復職支援まで一貫してサポートしています。
✅ 心療内科・精神科の診療:適応障害・うつ病・ストレス関連疾患の診療
✅ 産業医としてのアドバイス:休職・復職の流れや職場との調整をサポート
✅ 運動療法・鍼灸治療:薬に頼らず健康を回復するためのプログラムを提供
「傷病手当金を申請したいが、どのように進めればいいかわからない」
「休職中の生活リズムや復職のタイミングについて相談したい」
そんな方は、無理をせずに、まずは専門家に相談することをおすすめします。
現在当日初診受付中で、最終受付は20時となっています。
当院は症状によっては当日の診断書発行も可能です。
産業医の観点から、休職から復職に至るまでのフォローを相談させていただきます。
「休職の相談をしたい」「休職中の過ごし方がわからない」「復職までのプロセスがわからない」方は是非お声がけください。
*2025年1月7日 加筆修正
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