傷病手当金のもらい方|申請方法・金額・必要書類を心療内科医が完全解説

更新日:2 日前
意見書への対応は、診療内容や療養状況を確認したうえで医師が判断します。
病気やけがの療養のため仕事に就けず、休業中に十分な給与を受けられない場合、健康保険の傷病手当金が支給されることがあります。
申請は、①加入先と申請書を確認する、②本人が記入する、③事業主の証明を受ける、④療養担当者に意見欄の記入を依頼する、⑤健康保険へ提出する、という流れで進めます。
支給の可否や支給額は、加入している健康保険が申請内容を審査して決定します。
この記事では、傷病手当金の申請方法、必要書類、支給条件、医療機関へ記入を依頼するときの注意点を整理します。

【傷病手当金とは?】
傷病手当金は、健康保険の被保険者が業務外の病気やけがの療養のため仕事を休み、その間に十分な給与を受けられない場合の生活保障として支給される制度です。
主な支給条件
・業務外の病気やけがの療養のため休業していること
・療養のため、それまで従事していた仕事に就くことができないこと
・連続する3日間の待期を完成し、4日目以降も仕事に就けない日があること
・休業期間について給与の支払いがないこと。給与が傷病手当金より少ない場合は、差額が支給されることがあります
支給額と支給期間
・支給額の目安:支給開始日前12か月間の標準報酬月額の平均をもとに計算した日額の約3分の2
・支給期間:支給開始日から、実際に支給された期間を通算して最長1年6か月
申請期限
傷病手当金を受ける権利は、労務不能であった日ごとに、その翌日から2年で時効となります。
申請書や追加書類、提出方法は加入先によって異なる場合があります。協会けんぽまたは加入している健康保険組合の案内を確認してください。
【傷病手当金の申請方法】
申請は次の5ステップで進めます。勤務先が取りまとめる場合と、本人が健康保険へ直接提出する場合があります。
① 加入先と申請書を確認する
まずは、資格情報のお知らせやマイナポータルで、加入している健康保険を確認しましょう。協会けんぽと健康保険組合では、申請書や提出方法が異なる場合があります。
協会けんぽの申請書・記入例はこちら:健康保険傷病手当金支給申請書(公式)
書き方を確認したい方は、記入例・記入の手引き(協会けんぽPDF)をご覧ください。様式は更新されるため、提出前に公式ページの最新版を確認してください。
健康保険組合に加入している方は、ご自身の組合の申請書を使います。加入先が分からないときは、勤務先の人事・総務に確認してください。
② 本人が被保険者記入欄を書く
本人が記入する欄には、氏名、振込先、申請期間、仕事の内容などを記載します。協会けんぽの紙の申請書では、1・2ページが被保険者記入用です。
協会けんぽは、給与の締日ごとに1か月単位での申請を勧めています。申請期間を決めたら、勤務先と医療機関にも同じ期間を伝え、記入内容を確認してもらいましょう。
③ 事業主の証明を受ける
勤務先に、申請期間中の勤務状況や給与の支払い状況を記載してもらいます。協会けんぽの紙の申請書では、3ページが事業主記入用です。
④ 療養担当者に意見欄の記入を依頼する
診療を受けている医療機関へ、療養担当者記入欄の作成を依頼します。協会けんぽの紙の申請書では4ページです。会社へ提出する休職診断書とは別の書類であり、別紙の診断書が常に必要とは限りません。
依頼時には申請期間を伝え、受付方法や完成までの期間を医療機関に確認してください。医師は診療内容と経過に基づいて記入するため、希望する期間すべてを証明できるとは限りません。
⑤ 健康保険へ提出する
提出先は、加入している健康保険です。会社が取りまとめるか、自分で提出するかを勤務先に確認しておくと、提出の行き違いを防ぎやすくなります。
協会けんぽへ紙で申請する場合は、加入している支部へ郵送します。住所だけで判断せず、資格情報を確認のうえ、都道府県支部の宛先一覧で提出先を確認してください。
協会けんぽでは電子申請も案内されています。利用条件や必要な準備は、公式の申請方法案内をご確認ください。健康保険組合の加入者は、各組合の案内に従います。
提出前に、記入漏れ・申請期間・必要な添付書類を確認しましょう。添付書類は加入状況や年金の受給状況などによって異なります。審査状況や支給時期は、提出先の健康保険へお問い合わせください。
相談内容に合わせて、窓口を確認しましょう
申請方法・必要書類・支給状況を確認したい方は、加入している協会けんぽ支部または健康保険組合へお問い合わせください。
すでに通院中で、療養担当者記入欄について相談したい方は、まず診療を受けている医療機関にご確認ください。
まだ受診しておらず、体調や仕事を休むべきか相談したい方は、診療内容や受診の流れをご確認ください。傷病手当金の申請手続きと、体調についての診療は分けて考えましょう。
【医療機関へ記入を依頼するときの注意点】
療養担当者は、申請期間中の診療内容や経過、仕事に就けない状態であったかどうかを踏まえて意見欄を記入します。
・傷病手当金の申請書と、会社へ提出する休職診断書は別の書類です。加入先から追加書類を求められる場合は、その案内に従います。
・初診前の期間や将来の期間について、医療機関が一律に証明できるわけではありません。診療記録や療養状況をもとに個別に判断します。
・受診頻度に一律の決まりがあるわけではありません。症状や治療内容に応じて医師と相談します。ただし、診療記録が乏しい期間は意見欄の記入が難しい場合があります。
・療養担当者が意見欄を記入しても、支給が保証されるわけではありません。最終的な支給判断は加入している健康保険が行います。
休職や申請を検討している場合は、体調と仕事の状況を医療機関で早めに相談しておくと、その後の経過を整理しやすくなります。
【傷病手当金は退職後ももらえる?】
全国健康保険協会によると、以下の条件をみたす場合は、退職後も傷病手当金は受給可能としています。
”被保険者期間(任意継続被保険者期間を除く)が継続して1年以上あり、退職日の前日までに連続して3日以上仕事を休み、退職日も仕事につけず休んでいる場合は、同じ傷病での療養に限り、退職後も引き続き申請することができます。ただし退職後の受給期間は1日の空白もなく、継続した期間である必要があります。”
【まとめ】
傷病手当金は、病気やケガによって労働ができない期間中の所得補償を目的とした制度です。
申請書の本人・事業主・療養担当者の各欄をそろえ、加入している健康保険へ提出します。支給の可否や金額は、健康保険による審査で決まります。
会社への休職手続きで診断書が必要な場合は、休職の診断書のもらい方もご覧ください。傷病手当金の申請とは分けて確認しましょう。
自身が所属する組織や健康保険組合のガイドラインに従って手続きを進めましょう。
申請方法や必要書類について迷った場合は、加入している協会けんぽ支部または健康保険組合の窓口へ確認してください。
また婦人公論webで「産業医が教える会社の休み方」の抜粋記事が紹介されています。
傷病手当金についての説明もありますので、是非ご覧ください。
【休職したい・休職中のお困りごとは是非ご相談ください】
▶ 休職を検討している方へ
傷病手当金の申請と並行して、休職診断書の取得や会社への伝え方を整理しておくと、その後の手続きがスムーズになります。
Stay Fit Clinicでは、体調の不調や、休職・復職についての相談をお受けしています。眠れない、出勤がつらい、仕事を休むべきか迷うときは、体調と仕事の状況を一緒に整理します。
運動療法・鍼灸治療についても、症状や治療状況に応じてご相談いただけます。
診断書や傷病手当金の療養担当者記入欄への対応は、診察内容と療養状況を踏まえて医師が判断します。書類の発行・記入や、傷病手当金の支給を保証するものではありません。
当院への受診を検討している方へ
予約前に、当院で対応できる診療内容と受診時の注意点をご確認ください。初診の受付時間・空き状況は、受診案内と予約画面でご確認ください。
👉 詳しくは著書 『産業医が教える会社の休み方』(中公新書ラクレ) でも解説しています。
Stay Fit Clinic 院長 薮野淳也
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*2025年8月1日 加筆修正
参考情報
申請書・記入例・提出先の情報確認:2026年9月6日。制度や様式は変更される場合があります。申請時は加入先の最新情報をご確認ください。




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