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20代はなぜ「限界まで相談しない」のか──心療内科医が診察室で見ているZ世代の本音

  • 執筆者の写真: stayfitclinic
    stayfitclinic
  • 1 日前
  • 読了時間: 5分

「もっと早く来てくれていたら」


20代の患者さんを診ていて、心療内科医として毎月のように感じることです。


症状がかなり進んでから、ようやく受診される。話を聞くと、「こんなことで病院に行っていいのか分からなかった」「会社の人に知られたくなかった」とおっしゃる方が、本当に多いのです。


「最近の若手はすぐメンタルって言う」という声を、人事や管理職の方からよく聞きます。ですが、診察室で実際に向き合っていると、その印象はむしろ逆です。Z世代は「すぐ言う」のではなく、「ぎりぎりまで言えない」。


この記事では、20代・Z世代のメンタル不調について、心療内科医として診察室で見ている実態を整理します。


「打たれ弱い」のではなく「相談できない」


まず、データで現状を確認します。


日本生産性本部メンタル・ヘルス研究所の調査では、「心の病」が最も多い年齢層は20代で、2014年の調査と比べて約2倍の水準まで増えています。


そして、パーソル総合研究所の調査では、次のような実態が示されています。


・メンタル不調を経験した人の退職率は全体で25.3%だが、20代は3人に1人(35.9%)が退職している


・職場での相談に抵抗を感じる20代は68.0%


・「相談すると評価が下がる」と懸念している20代は39.6%


つまり、不調を抱えている20代の約7割が、職場で相談できていない。そして、相談できないまま静かに退職していく。


「打たれ弱いから辞める」のではありません。「相談できないまま、限界を超えてしまう」のです。


診察室で見える、3つの「言えない」理由


なぜ、彼らはぎりぎりまで言えないのか。診察室で患者さんと話していると、いくつか共通する背景が見えてきます。


① 「これくらいで弱音を吐いてはいけない」と思っている


真面目で責任感が強い方ほど、「もっと大変な人がいる」「自分はまだ頑張れるはず」と、自分の不調を過小評価します。受診を「負け」のように感じてしまうのです。


② 失敗や評価への不安が強い


「相談すると評価が下がるのではないか」という不安。これは先ほどのデータでも約4割が感じていました。SNSで常に他者と比較される環境で育った世代だからこそ、「できない自分」を見せることへの抵抗が強い傾向があります。


③ どこに相談していいか分からない


そもそも、心療内科がどういう場所か分からない。病院に行くほどなのか、自分では判断できない。この「入り口の分からなさ」が、受診を遅らせます。


不調のサインは「気分」より先に「行動」に出る


もう一つ、知っておいてほしいことがあります。


メンタル不調のサインは、本人が「気分が落ち込む」と自覚するより前に、行動の変化として表れることが多いのです。


・朝起きるのがつらい、遅刻や欠勤が増える


・睡眠のリズムが乱れる(眠れない、過眠)


・食欲の急な変化(減退または過食)


・表情が乏しくなる、雑談が減る


こうした変化が2週間以上続いているなら、それは「気合いが足りない」のではなく、心と体が出しているサインです。本人も、周囲も、ここで気づけるかどうかが分かれ道になります。


早く相談できる環境が、いちばんの予防になる


Z世代のメンタルを守るために、いちばん大切なこと。それは、「重症化する前に相談できる」状態をつくることです。


本人にできるのは、「これくらいで」と思わずに、早めに専門家に相談すること。

周囲(管理職・人事・産業保健職)にできるのは、行動の変化に気づき、相談のハードルを下げる仕組みをつくることです。


Stay Fit Clinicは、ビジネスパーソンのための内科・心療内科として、「病院に行くほどじゃないかも」という段階の方こそ、気軽に相談していただける場所でありたいと考えています。「これって受診すべき?」と迷った時点で、一度ご相談ください。


【セミナーのご案内】若手を支える立場の方へ


本記事で触れた「Z世代がなぜ相談できないのか」「どう気づき、どう支えるか」について、企業の人事・管理職・産業保健職の方に向けたセミナーに、当院院長・薮野が登壇します。


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まとめ


・20代の「心の病」は2014年比約2倍。3人に1人がメンタル不調をきっかけに退職している


・彼らは「打たれ弱い」のではなく、約7割が「相談できないまま限界を超えている」


・不調のサインは「気分」より先に「行動」に表れる


・重症化する前に相談できる環境づくりが、いちばんの予防になる


・若手を支える人事・管理職・産業保健職の方は、6月18日のセミナーへ


「これくらいで受診していいのかな」と迷っている方こそ、早めにご相談ください。それが、長く健康に働き続けるための第一歩です。


「受診するほどでもない」と思った時点で、もう受診のタイミングです。




📩 英語でのお問い合わせも歓迎しています


Stay Fit Clinic 院長 薮野淳也


心療内科医・産業医・社会医学系専門医


著書『産業医が教える 会社の休み方』(中公新書ラクレ、2024年)


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参考文献


・公益社団法人日本生産性本部メンタル・ヘルス研究所「第12回『メンタルヘルスの取り組み』に関する企業アンケート調査結果概要」


・パーソル総合研究所「若手従業員のメンタルヘルス不調についての定量調査」

 
 
 

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