「会社に行きたくない」が続いたら ── 産業医・心療内科医が考える「休職」という選択
- stayfitclinic

- 1月5日
- 読了時間: 6分
更新日:5月20日
こんにちは。
港区外苑前の心療内科・メンタルクリニック Stay Fit Clinic 院長の薮野淳也です。
朝になると体が動かない。
会社のことを考えると不安や動悸が出る。
「行かなければ」と思うほど、つらくなる。
そんな状態が続いている方は、決して少なくありません。
「会社に行きたくない」という感覚は、決して珍しいものではありません。
そして同時に、心療内科・メンタルクリニックを受診すべき重要なサイン でもあります。
この記事では、「会社に行きたくない」が長く続いているときに、「休職」という選択をどう考えるか を、産業医・心療内科医の立場からお伝えします。
「甘えかどうか」を自分で判断しなくていい
多くの方が最初に悩むのが、「これは甘えなのではないか」「もう少し頑張れるのではないか」という点です。
産業医として、また心療内科医として、多くの働く方を見てきました。
実際に体調を崩してしまう方ほど、こうした思いを強く抱えています。
・責任感が強い
・周囲に迷惑をかけたくない
・仕事を途中で投げ出したくない
「会社に行きたくない」と感じる理由が、体調によるものなのか、環境によるものなのか。
これは、本人の気合や意志だけで判断するものではありません。
医学的に整理する作業が必要です。
「会社に行きたくない」と「会社に行けない」は違う
これは大事なポイントなので、はっきり書きます。
「会社に行きたくない」と「会社に行けない」は、医学的に別の状態です。
・無理をすれば行ける状態 ── 体調を整えながら働き続けるルート
・すでに行けない状態 ── 休養を中心に考えるルート
「行けない状態」で無理を続けると、以下のような結果になりやすくなります。
・症状が悪化する
・回復までに時間がかかる
・休職期間が長引く
早めに立ち止まることは、長期的には合理的な判断 です。
判断は、ご自身ひとりで抱え込まずに、専門家と一緒に整理することをおすすめします。
「行きたくない」の背景にある2つの要因
「会社に行きたくない」という状態の背景には、主に次の2つがあります。
① 心身のコンディションが落ちている
・不眠が続いている
・疲労が抜けない
・集中力が著しく落ちている
・休日も気が休まらない
この場合は、まず体調を整えることが最優先 です。
② 職場環境・業務負荷の問題
・業務量が明らかに過剰
・人間関係のストレスが続いている
・配置転換や評価制度の変化
この場合は、環境調整・業務負荷の軽減、必要に応じて休職 を検討します。
実際の臨床現場では、①と②が複雑に絡み合っていることがほとんどです。
心療内科・メンタルクリニックでは、この2つがどの程度影響しているかを医学的に整理し、ご一緒に判断していきます。
休職は「逃げ」ではなく、治療の選択肢の一つ
「休職」という言葉に、こんなイメージを持つ方も多いです。
・キャリアに傷がつく
・負けた気がする
・人事評価が下がるのが怖い
・周囲の目が気になる
しかし、医療の立場から見ると、休職は 戦略的な治療の選択肢 です。
・心身を回復させるための治療手段
・働き続けるための調整期間
・判断力が落ちる前に、回復に専念する時間
休職を経て元気に戻ってこられる方は、本当に多くいらっしゃいます。
逆に、休職を避けようとして無理を続けた結果、長期離脱になってしまうケースの方が、結果的にダメージが大きくなりがちです。
Stay Fit Clinic での「休職」の整理
当院では、休職について以下のように整理しています。
・本当に休職が必要な段階か ── 医学的な評価
・どの程度の期間が妥当か ── 経過と回復の見通し
・休職せずに調整できる余地はあるか ── 業務調整・環境調整の可能性
これらを、心療内科・メンタルクリニックの視点 + 産業医の現場目線 の両方から検討します。
産業医として、多様な業界で15社以上の現場を見てきた経験を活かし、職場との交渉や復職のしやすさまで含めて、現実的なご相談に乗ります。
「休職」は、3段階の中の一つの手段
ここで、当院がお伝えしている全体像を共有します。
「会社に行きたくない」が続いた時に、状態に応じて検討する選択肢は、以下の3段階に整理できます。
1. まず整える(生活リズム・睡眠・運動・食事を整える)
2. 負荷を調整する(業務量や環境を見直す。場合によって休職)
3. 場所を変える(異動・転職を視野に入れる)
休職は、この 2番目の「負荷を調整する」段階の中で、最も強い介入 にあたります。
①の整える努力では追いつかない、②の業務調整でも対応しきれない、そういう時に検討する選択肢です。
順番にステップを踏むことで、判断の精度が上がります。
詳しい3段階の考え方は、別記事「「会社に行きたくない」と感じる時に ── 産業医・心療内科医が伝える3つの段階」でもお伝えしています。
一度立ち止まることは、戦略的な選択
「無理なスタートを切る」必要はありません。
体調が整っていない状態で走り出しても、長くは続きません。
・体調が整っていない
・仕事を考えると苦しい
・不安が強い
こうした状態のときは、一度立ち止まり、整えてから再スタートする ── それも、立派な選択です。
そして重要なのは、その判断を、ご自身ひとりで抱え込まないこと。
医療の立場から、客観的に整理を一緒に進める時間を持つことを、おすすめします。
まとめ|働く方の判断を、医療の立場から支えます
「会社に行きたくない」と感じたとき、それはあなたの弱さではありません。
体調や環境が、「今の働き方を見直そう」と伝えているサインです。
そして「休職」は、そのサインに対する有効な選択肢のひとつです。
Stay Fit Clinic では、以下のテーマについて、心療内科・メンタルクリニックとして、そして産業医の視点を持つ医療機関として、冷静にサポートします。
・仕事の不調・ストレス・適応障害
・休職・復職の判断と進め方
・職場との関わり方の整理
「受診するほどか分からない」── その段階でも構いません。
早めに相談された方ほど、選べる打ち手は多くなります。
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詳しくは著書『産業医が教える 会社の休み方』(中公新書ラクレ)でも解説しています。
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Stay Fit Clinic 院長 薮野淳也




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