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GW明けに起きる体調不良の正体|五月病・適応障害との違いと正しい休息の取り方(港区・外苑前)

  • 執筆者の写真: stayfitclinic
    stayfitclinic
  • 5月8日
  • 読了時間: 8分

更新日:5月19日

連休最終日の夜、急に頭が痛くなる。連休明けの朝、胃が重くて朝食が喉を通らない。出勤の電車でめまいがする。


GW明けにこうした身体症状を訴えて来院される方が、毎年この時期に増えます。多くの方が「気合いが足りないだけ」「少し疲れているだけ」と考えて我慢してしまいますが、その体調不良には医学的な理由があります。


この記事では、GW明けの体調不良が起きるメカニズム、単なる疲れなのか五月病・適応障害のサインなのかの見分け方、そして回復段階に応じた正しい休息の取り方について、産業医として15社以上の企業で働く方を診てきた経験をもとに解説します。


GW明けに起きる体調不良の正体|五月病・適応障害との違いと正しい休息の取り方(港区・外苑前)
GW明けに起きる体調不良の正体|五月病・適応障害との違いと正しい休息の取り方(港区・外苑前)

なぜGW明けに体調不良が起きるのか


4月に新しい環境に入った方や、異動・昇進などで環境が変わった方は、1か月近く緊張感を持って働き続けています。この間、本人は「なんとか慣れてきた」と感じていても、身体の中ではストレス反応が確実に蓄積されています。


厚生労働省の「労働者の心の健康の保持増進のための指針」では、ストレスは精神的な反応(不安・抑うつ感・イライラ)だけでなく、身体的な反応としても現れると明記されています。具体的には、頭痛、胃腸障害、動悸、めまい、肩こり、不眠、食欲低下などです。


GWで緊張の糸が一時的に切れると、それまで無意識に抑え込んでいた疲労や不調が一気に表面化します。つまり、GW明けの体調不良は「GWで悪化した」のではなく、「4月からずっと蓄積していたものが顕在化した」というのが正確な見方です。


逆に言えば、GW中に軽い症状を感じた方は、連休がなければ気づかなかった可能性があります。身体は休んだときにこそ、普段のダメージを教えてくれます。



GW明けに多い身体症状


外来で実際にお聞きする症状は、ほぼ決まったパターンがあります。


消化器系


・朝食が食べられない、食欲が急に落ちた


・出勤前に胃が痛む、吐き気がする


・下痢や便秘が続く


・食べても美味しく感じない


循環器・自律神経系


・動悸がする、脈が早くなる


・立ちくらみ、めまい


・手のひらや脇に汗をかきやすい


・体温調整がうまくいかない(暑がり・寒がりになる)


頭部・筋骨格系


・頭痛、頭が重い


・肩こり・首こりが悪化した


・目の疲れが抜けない


・顎が痛む、歯ぎしりが増えた


睡眠


・寝つきが悪い


・夜中に何度も目が覚める


・朝早く目が覚めてしまう


・眠ったはずなのに疲れが取れない


これらは「自律神経の乱れ」と一括りにされがちですが、医学的にはストレス反応の身体症状化として説明できる現象です。



「連休の疲れ」と「受診が必要なサイン」の見分け方


GW明けの体調不良には、大きく3つの段階があります。


段階1:数日で落ち着く「連休明けの反動」


・連休明けの初日〜2日目がピークで、徐々に改善する


・仕事を始めると、それなりに集中できる


・週末になれば気分が回復する


・睡眠や食欲に大きな変化はない


この場合は、生活リズムを戻すことで自然に改善することが多いです。早寝早起き、朝食の摂取、軽い運動などで対応できます。


段階2:2週間以上続く「五月病」的な不調


以下のような症状が2週間以上続く場合は、単なる連休疲れではなく、いわゆる「五月病」の状態に入っています。


・朝起きるのがつらい状態が毎日続く


・仕事への集中力が明らかに落ちている


・休日になっても気分が回復しきらない


・食欲や睡眠の変化が続いている


・イライラや不安感が続く


五月病自体は正式な診断名ではなく俗称ですが、放置すれば適応障害やうつ病に移行するリスクがあります。五月病と適応障害の詳しい違いは「「五月病かも?」と思ったら知っておきたいこと──適応障害との違いと受診の目安」で解説しています。


段階3:適応障害を疑うサイン


以下のような症状がある場合は、適応障害の可能性があります。早めの受診をおすすめします。


・出社前に吐き気、腹痛、めまいが起きる


・日曜の夕方から強い憂うつ感と身体症状が出る


・会社に着いた瞬間に体調が悪化する


・休日も気分が晴れず、何をしても楽しくない


・「もう辞めたい」「消えてしまいたい」という考えが浮かぶ


・些細なことで涙が出る、感情のコントロールが難しい


適応障害は、DSM-5やICD-11で正式に定義された精神疾患です。ストレス因(主に職場環境)に対して、情動面や行動面の症状が出現する状態で、放置すれば10〜30%がうつ病に移行すると報告されています(Casey P. "Adjustment disorders: the state of the art." World Psychiatry. 2011)。


「もう少し様子を見よう」と思った時点で、すでに受診のタイミングであることが少なくありません。



回復には「段階に合った休み方」がある


GW明けに体調不良を感じたとき、「どう休めばいいのか」が分からずに悪化させてしまう方が多くいます。ここで知っておいてほしいのが、休み方にはレベルがあるということです。


パッシブレスト(消極的休息)


十分な睡眠、昼寝、ぼーっと過ごす、入浴してすぐ寝る。エネルギー消費を最小限にする休み方です。不調が強い初期には、まずこれが最優先になります。


アクティブレスト(積極的休息)


軽い散歩、ストレッチ、ぬるめのお湯での入浴、軽い有酸素運動。あえて体を動かすことで血流を促し、回復を早める休み方です。ある程度回復してきた段階で取り入れると効果的です。


回復段階別の目安


段階 | パッシブ:アクティブ | 過ごし方


**急性期(不調が強い時期)** | 9:1 | 無理せずゆっくり休む。最低限のことだけ


**回復期** | 7:3 | 散歩やストレッチを少しずつ取り入れる


**復帰準備期** | 5:5 | 心地よい疲れを感じる程度の運動ができる


急性期に「早く復帰しなきゃ」と焦ってアクティブに動きすぎるのは逆効果です。逆に、回復期にパッシブのままでいると、今度は回復が停滞します。自分が今どの段階にいるのかを把握して、それに合った休み方を選ぶことが大切です。


拙著『産業医が教える会社の休み方』(中公新書ラクレ, 2024年)でも、この考え方を詳しく紹介しています。



体調不良を長引かせないためにできること


睡眠を最優先する


ストレス反応で最初に影響を受けるのが睡眠です。厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人は6時間以上の睡眠を確保することが推奨されています。「寝ているつもりなのに疲れが取れない」方は、睡眠の質が落ちている可能性があります。


入眠困難や中途覚醒が2週間以上続いている場合は、医師への相談をおすすめします。詳しくは「デエビゴの効果と使用感を徹底解説」でも睡眠薬の選択肢について解説しています。


朝の光を浴びる


起床後30分以内に太陽光を浴びることで、体内時計がリセットされやすくなります。連休中に不規則になった生活リズムを戻すのに有効です。


軽い運動を取り入れる


世界保健機関(WHO)の「身体活動・座位行動ガイドライン2020」では、成人に週150分以上の中強度有酸素運動を推奨しています。いきなり激しい運動をする必要はなく、1日10〜15分の散歩でも十分です。運動療法の詳細は「運動療法とは」をご覧ください。


我慢して乗り越えようとしない


厚生労働省「令和5年 労働安全衛生調査(実態調査)」によると、仕事に強い不安やストレスを感じている労働者の割合は82.7%です。ストレスを感じていること自体は、まったく異常ではありません。


問題なのは、「こんなことで休むのは甘え」と我慢を重ねて症状を悪化させてしまうことです。早めに相談することが、結果的に一番効率のいい対処法です。



私自身の経験から


私自身、開業時の過労から適応障害を経験しています。クリニックと産業医業務の立ち上げが重なり、休む暇なく走り続けた結果、ある日突然、体が言うことを聞かなくなりました。


最初に出たのは身体症状でした。朝起きると胃が重く、食事が喉を通らない。電車に乗るとめまいがする。夜になると動悸で眠れない。


それでも「もう少し頑張れば軌道に乗る」と思い続け、結果的に回復に余計な時間がかかりました。今だから言えますが、あの時もっと早く休んでいれば、回復はもっと早かったと思います。


だから、この記事を読んでくださっている方に伝えたいのは、身体が出しているサインを無視しないでほしいということです。



Stay Fit Clinicでの診療について


「GW明けから調子が悪いけど、受診するほどなのか分からない」


そう思っている方にこそ、来ていただきたいと思っています。


受診することは、何かを決断しなければいけないということではありません。今の状態を専門家と一緒に整理する、それだけでも意味があります。


当院では、産業医として15社以上の企業で人事・労務と連携してきた経験を活かし、職場の事情を踏まえた診療を行っています。


・今の体調不良が「一過性」なのか「適応障害」なのかを丁寧に評価する


・身体症状に対して必要な検査(内科的な除外も含め)を行う


・必要に応じて、環境調整の診断書や休職の診断書を作成できる


・会社の制度を知っている主治医だからこそ、会社との交渉方法もアドバイスできる


・回復後は、併設のCrossFit Aoyama(厚労省認定・指定運動療法施設)と連携した運動療法プログラムも利用可能


「なんとなくつらい」が続いているなら、早めにご相談ください。




Stay Fit Clinic 院長

心療内科医・産業医

薮野淳也



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