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GW中の服薬と生活リズムの守り方|心療内科に通院中の方へ

  • 執筆者の写真: stayfitclinic
    stayfitclinic
  • 4月24日
  • 読了時間: 8分

更新日:5月19日

GW中の服薬と生活リズムの守り方|心療内科に通院中の方へ
GW中の服薬と生活リズムの守り方|心療内科に通院中の方へ


連休中、薬を飲み忘れた。

生活リズムが崩れて眠れなくなった。

旅行中に急に不調になった。


心療内科に通院されている方にとって、GW(ゴールデンウィーク)は治療が一時的に後退しやすい期間でもあります。


普段は守れている服薬や生活リズムが、連休のイベント・環境変化で崩れてしまうことは、珍しくありません。




まず結論です。


GW中に大切なのは、「連休モード」に引っ張られて治療のベースラインを崩さないことです。

具体的には、①服薬を続ける、②起床時刻を崩さない、③薬の減量・中止は必ず主治医と相談する、の3点を守ってください。



この記事では、GW中に治療を後退させないための具体的な工夫を、心療内科医・産業医の立場から解説します。



なぜGW中に治療が後退するのか


GWは、一見すると「休めて回復できる期間」です。

実際、多くの方にとっては心身のリセットに役立ちます。



ただし、心療内科の治療を継続中の方にとっては、以下のような治療後退リスクが存在します。


・薬の飲み忘れ・時間のズレ

・起床・就寝時間のズレによる体内時計の乱れ

・普段と違う環境(旅行・帰省)でのストレス

・家族との距離感によるストレス

・飲酒機会の増加

・「連休中だから飲まなくてもいいかな」という自己判断による中断



特に注意していただきたいのが、自己判断で服薬をやめてしまうことです。


抗うつ薬・抗不安薬・睡眠薬のいずれも、急な中止で離脱症状(めまい・頭痛・不眠・電気ショック様感覚など)が出ることがあります。


「せっかくの連休だから薬はやめてみよう」という判断は、連休明けの再発リスクを大きく高めます。

薬の減量・中止は、必ず主治医と相談したうえで行ってください。



服薬を忘れないための3つの工夫



工夫1:お薬カレンダー・ピルケースを使う


日ごと・朝昼夕ごとに仕切られたお薬カレンダーに、連休前の日曜日にまとめてセットしておくのが最もシンプルな方法です。

飲んだか飲んでいないかが一目で分かります。


旅行・帰省時は、1週間分のピルケースを持ち歩くと便利です。


処方薬の包装シートをそのまま持ち歩くと、旅先で取り出しにくかったり、子どもの手に触れる危険があります。



工夫2:スマホのリマインダーを設定する


・朝の服薬時刻にアラーム

・「飲んだらタップ」できる服薬管理アプリ(お薬手帳アプリ等)

・カレンダーアプリに毎日同じ時刻でイベント登録


旅行先で時間がずれても、スマホのリマインダーがあれば気づけます。

連休前の金曜日までに設定しておくのがおすすめです。



工夫3:「飲んだら動かす」アクションを決める


「飲んだかどうか思い出せない」問題を防ぐために、服薬とセットで行う動作を決めておくと役立ちます。


・薬を飲んだら、ピルケースを逆さまにする

・薬を飲んだら、お薬カレンダーの該当セルに×を書く

・薬を飲んだら、アプリをタップする


こうした「動作による記録」は、記憶に頼らない管理ができるので、睡眠不足や環境変化で記憶が曖昧になりがちな連休中にも有効です。



睡眠リズムを崩さない方法


心療内科の治療にとって、睡眠は最も重要な土台のひとつです。


薬物療法を受けている方も、睡眠の質が保たれていなければ効果が十分に発揮されにくくなります。



起床時刻を崩さない


連休中でも、起床時刻は平日とプラス1時間以内に抑えてください。


10時・11時まで寝てしまうと、体内時計が2〜3時間後ろにずれます。

連休明けの月曜日、体内時計が「まだ深夜」と感じている状態で出勤することになります。



「連休くらい寝かせてほしい」という気持ちは分かります。


ただ、治療中の方にとっては、睡眠時間を長くすることよりも、リズムを維持することのほうが大切です。



朝日を浴びる


起床後30分以内に、窓辺で10分ほど朝日を浴びる。


これだけで体内時計がリセットされやすくなります。


カーテンを開けて朝食をとる、ベランダに出る、軽く散歩する。

どれでも構いません。



昼寝は20分以内


連休中に昼寝をするなら、15〜20分以内に収めてください。


30分を超えると深い睡眠に入り、起きたときに頭がぼーっとする「睡眠慣性」が強く出ます。

また、夜の入眠も遅れます。



就寝前2時間のスマホ・テレビを控える


ブルーライトと刺激的な映像は、メラトニン分泌を抑制し、入眠を妨げます。


就寝1〜2時間前からはスマホを別室に置くのが理想です。



厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、成人は6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保すること、生活リズムを整えることが重要とされています。


睡眠の質が落ちている場合の対応については、休職中にしてはいけないことの記事でも触れています。



旅行・帰省中の注意点



薬は必ず手荷物に


飛行機を使う場合、薬は必ず機内持ち込みの手荷物に入れてください。


預け荷物がロストすると、連休中に薬が手に入らず大変なことになります。



処方薬情報のメモを持ち歩く


旅先で予期せぬ受診が必要になったときのために、処方されている薬の名前・用量・服用タイミングをメモかスマホのメモに入れておきましょう。


お薬手帳の写真をスマホに保存しておくのもおすすめです。



時差のある旅行は主治医と相談


海外旅行で時差が3時間以上ある場合、服薬タイミングをどう調整するかは事前に主治医と相談してください。


特に睡眠薬・抗不安薬は、現地時間に合わせるか日本時間を維持するかで、効き方が大きく変わります。



帰省時の「家族からのストレス」対策


帰省は、一見リラックスできるイベントに見えて、治療中の方にとって最もストレスが高い場面のひとつです。


・「働きすぎじゃない?」「病気どう?」といった詮索

・親・親戚との価値観の違い

・普段避けている話題を振られる

・自分のペースで休めない



対策としては、滞在期間を短めにする自分だけの時間を1日1時間は確保するすぐに外に出られる準備をしておくことが有効です。


「連休中に家族と過ごしたら、むしろ体調が悪くなった」という方は、少なくありません。


事前に主治医と話し合って、連休中の過ごし方をイメージしておくことをおすすめします。



連休中に「飲まなくてもいいかな」と思ったときは


連休中、気分が良い日が続くと、「薬を飲まなくても大丈夫かも」と感じることがあります。

これは治療の経過としては自然な感覚です。


ただし、自己判断での中断は絶対に避けてください



なぜ自己判断が危険なのか


・抗うつ薬(SSRI・SNRI)の急な中止 → めまい・頭痛・吐き気・電気ショック様感覚(中断症候群)

・抗不安薬(ベンゾジアゼピン系)の急な中止 → 不安再燃・不眠・けいれん

・睡眠薬の急な中止 → リバウンド不眠・強い不安


これらは、飲み忘れ1回・2回ではなく、数日続けて飲まなかった場合に起きやすい症状です。



「減らしたい」と思ったら


薬を減らしたい、やめたいという気持ちは、治療が進んだ証拠でもあります。


次回の診察で主治医に伝えて、計画的に減量するのが正しい手順です。


症状が安定していることを確認したうえで、数週間〜数か月かけて徐々に減らしていくのが一般的です。



GW中におすすめの過ごし方



軽い運動を毎日続ける


連休中も、1日20〜30分のウォーキングや散歩を日課にしてください。


運動は、気分の安定と睡眠の質向上に有効であることが、多くの研究で示されています。


世界保健機関(WHO)「身体活動・座位行動ガイドライン2020」でも、成人に週150分以上の中強度有酸素運動が推奨されています。


運動療法の詳細は「運動療法とは」をご覧ください。



「予定を詰めすぎない」スケジュール


連休中にイベントを詰め込みすぎると、連休明けに反動が来ます。


1日1予定、半日は「何もしない時間」を意識してスケジュールを組んでください。



SNS・ニュースとの距離感


連休中にSNSを見続けると、他人の充実した投稿を見て気分が落ちる「SNS疲れ」が起きやすくなります。


1日のSNS時間を決める通知をオフにするだけでも効果があります。



連休明けに「調子が戻らない」と感じたら


連休が明けて1週間経っても、以下の症状が続く場合は、早めに主治医の受診をおすすめします。


・寝つきが悪い・中途覚醒が増えた

・朝起きるのがつらい状態が続く

・食欲が戻らない

・仕事への集中力が明らかに落ちている

・連休前より気分が沈んでいる



「次の定期診察まで待とう」と我慢する必要はありません。


連休明けは、治療が後退しやすいタイミングであると同時に、早めの介入で再発を防げるタイミングでもあります。



強い不安や「消えてしまいたい」気持ちが出たときは


連休中、急に気持ちが落ちて、「消えてしまいたい」「自分なんていないほうがいい」という考えが浮かぶことがあります。


こうした気持ちが出たときは、セルフケアで様子を見る段階ではありません。


身近な人、医療機関、地域の相談窓口、救急窓口など、話せる相手にすぐ連絡してください。

夜間であっても、救急窓口や相談ダイヤルに連絡することができます。


一人で抱え込まないことが、何より最優先です。



Stay Fit Clinic 通院患者さまへ


当院では、GW前後の通院について以下のように配慮しています。


連休前の処方:連休中に薬が切れないよう、診察時にお薬の残量をご確認ください

連休明けの再診:体調に変化を感じた場合は、定期診察を待たずにお電話ください

内容に応じてオンラインでのご相談にも対応:症状や診療内容によっては、対面診療をご案内する場合があります


連休中に薬が足りなくなる、調子が崩れる、旅行で不安が強くなる。

そうした「連休ならでは」の不安に、遠慮せずご相談ください。





Stay Fit Clinic 院長

心療内科医・産業医

薮野淳也



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