会社に産業医がいない…休職・復職・健康のこと、誰に相談する?|産業保健に詳しい心療内科医が解説
- stayfitclinic

- 6月18日
- 読了時間: 4分
「体調を崩したが、会社に産業医がいなくて、誰に相談すればいいか分からない」
「休職や復職のことを、社内の誰にどう話せばいいのか分からない」
外来で、こうした声をよく聞きます。
法律で産業医の選任が義務づけられているのは、常時50人以上の労働者がいる事業場です。そのため、50人未満の会社やスタートアップ、外資系の小さな日本支社などでは、「いざという時に相談できる産業医がいない」という状況が珍しくありません。
この記事では、会社に産業医がいない環境で働く方が、休職・復職・健康のことで困ったときに、どこに相談すればよいかを、産業保健に詳しい心療内科医の立場から解説します。

産業医がいないと、何に困るのか
産業医は、働く人と会社の間に立つ「中立的な医師」です。産業医がいないと、次のような場面で困りやすくなります。
・体調を崩したとき、働き続けてよいのか、休んだ方がよいのかを相談する相手がいない
・休職や復職の判断を、主治医の診断書だけで会社とやり取りしなければならない
・健康診断で異常を指摘されても、就業上の配慮を一緒に考えてくれる医師がいない
結果として、本人が会社との調整役をすべて背負ってしまい、負担が大きくなりがちです。
そんなとき、「産業保健に詳しい主治医」が頼りになります
産業医がいない会社でも、解決の糸口はあります。それは、産業保健(職場における働く人の健康管理)に詳しい主治医を持つことです。
一般的な心療内科・内科では、症状の治療が中心になります。一方、産業医の経験がある医師であれば、「この症状で働き続けるとどうなるか」「会社にどう配慮を求めればよいか」といった、職場と健康の両方を見すえた助言ができます。
当院(Stay Fit Clinic)の院長・薮野は、現役の産業医として外資系企業を含む15社以上を担当しています。そのため、治療だけでなく、「働きながらどう治していくか」「会社にどう伝えるか」まで含めて、一緒に考えることができます。
「両立支援」という仕組みも使えます
働きながら治療を続ける方には、「療養・就労両立支援」という仕組みがあります。
これは、主治医が職場に向けて、治療の状況や必要な配慮を書面で伝え、職場での働き方の調整につなげるものです。2026年の制度改定で対象が広がり、うつ病や適応障害でも使えるようになりました。
産業医がいない会社でも、産業保健に詳しい主治医がこの書面を作成することで、本人が口頭で何度も説明しなくても、職場との橋渡しがしやすくなります。「会社に産業医がいないから」と諦める必要はありません。
会社として産業医が必要な場合は
ここまでは「働く人個人」が相談する場合のお話でした。
一方で、「会社として、休職者対応や健康診断の事後措置、ストレスチェック(2028年4月から50人未満も義務化)に対応するために、産業医に依頼したい」という場合もあると思います。
その場合は、必要な時だけ単発で依頼できる「スポット産業医サービス」という選択肢があります。詳しくはスポット・単発で頼める産業医サービス|産業医がいない会社の「困った時」を解決しますをご覧ください。
まとめ
・産業医の選任義務は50人以上の事業場。小規模な会社では産業医がいないことも多い
・産業医がいないと、休職・復職・健診の相談相手がおらず、本人の負担が大きくなりやすい
・「産業保健に詳しい主治医」を持つことで、治療と職場対応の両方を相談できる
・両立支援の仕組みを使えば、主治医が職場との橋渡しをしてくれる
・会社として産業医が必要なら、スポット産業医サービスという選択肢もある
「会社に産業医がいなくて、誰に相談すればいいか分からない」と感じている方は、一度ご相談ください。働きながら健康を保つ方法を、一緒に考えます。
「受診するほどでもないかも」と思った段階での相談でも構いません。
📩 英語でのお問い合わせも歓迎しています
Stay Fit Clinic 院長 薮野淳也
心療内科医・産業医・社会医学系専門医
著書『産業医が教える 会社の休み方』(中公新書ラクレ、2024年)
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出典
・厚生労働省「労働安全衛生法及び作業環境測定法の一部を改正する法律について」(2025年)
・厚生労働省「小規模事業場ストレスチェック実施マニュアル」(2026年2月公表)




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